こんにちは。ニューヨークで役者やってます、まみきむです。

NYアクターの生活、オーディション、現場での様子、また独断によるツッコミなどをお届けしています。

 

ニューヨークに住んで、今年で27年になるのだが、それならさぞかし英語が上達しているか?…というと、まぁ、確かに27年前よりは上達しているかもしれないが、ネイティブ並みか?!と言われると…まぁ、もっともネイティブの中にも、実は文法が得意ではない奴もいたりするのだが、いわゆる大学などの高等教育を受けた英語ネイティブと同じくらいのレベルの英語か?…と聞かれたら、実は答えは即「NO」である…

 

もちろん、ニューヨークにいる人達の中には、ずっと努力を続けている人もいて、そういう人達はちゃんと上達していると思うのだが、悲しいかな、実は私は元来語学が嫌いである…なので、ある程度まで不便を感じなくなってくると…これは「不便がなくなった」のではなく、不便はあってもそれに慣れて「あまり感じなくなった」(慣れるなよ!)という意味なのだが…そこで努力も止まってしまい、自動的に成長も止まってしまった…というわけである…

勿論自分でも、「これはいかんなぁ…」と思わないでもないのだが、いつしか時だけが経ってしまった…なので、これだけは声を大にしてして言うが、アメリカに居るだけでは英語は上達しない上達するのは度胸だけ…つまり、多少間違っていても、何とかなってしまうという図太さだけが育ってしまい肝心の英語自体の上達は止まってしまう事もある…

 

しかし、同時に、使わないものは退化する…これは母国語であっても同じことで、実は最近より危機感を感じるのは、この日本語の退化の方だったりする…

まぁ、歳をとるに従って、固有名詞が出てこなくなる…会話の中でも固有名詞が思い出せず、「あれ」とか「あの人」とか指示語だけで会話が進む…というのは、これは中高年にはよくある事のようなのだが、実は、最近では固有名詞だけではなく、一般名詞も出てこなくなるのだ?!

特に滅多に使わない言葉の忘れ方が酷い…英語混じりのルー大柴のような変な日本語は、在米歴が20年以上の中高年層には、実は笑えなかったりする

 

少し前まで、久々に翻訳仕事が来たので、それに掛かりっきりになっていたのだが、この時、「3 ships…」というような言葉が出てきた…この時「船が三…」と書いて、ふと「船」の数え方がわからなくなった…いや、厳密にいうと、「船」と「舟」の数え方の違いに迷ったのである…もっとも、一方が「隻(せき)」で他方が「艘(そう)」である事はわかっていたのだが、どっちが「隻」でどっちが「艘」なのかが、マジでわからなくなったのだ?!お前はホンマに国文科卒か?!…と自分でも激しく突っ込みたくなったが、「船が三隻」?それとも「船が三艘」?…冗談でなく真剣に迷った…そしてこういう二者択一というのは、一旦迷い始めるとドツボにハマる

それならさっさと調べればいいのだが、「このぐらい覚えているはずだ!」と意地になって「考えよう」としたのが、そもそもの間違いだった…物事には、考えてわかる事と、知っていなければどうにもならない事があるというのに…

 

実は最初は「船が三隻」だと思ったのだが、何となくこれは「船が三艘」の方が正しいのではないか…という気がしてきたのだ…「船」も「艘」も同じ「舟編」がついている…これってなんか「大きな船」という感じではないか?!…という、今思えば「どこがやねん?!」と言いたくなる様な、訳のわからない考えが頭に浮かび、その途端に、大きな船の数え方は、「艘」以外に考えられなくなったのだ…もっとも、その時は後でちゃんと調べて確認しよう…と思ってはいたのだが、ちょうどその頃が、Macが原因不明の不調を起こし、それに翻弄されていた時だった過去記事参照)…それでそれに気を取られている内に、いつしか確認する事を忘れていた…のみならず、「大きな船の数え方」は「艘」…という思い込みが、そのまま私の中で定着してしまった

 

そして何とか締め切りまでにその翻訳仕事を終え、先方に送信した2日後ぐらいに、別のことを確認したくて、その翻訳を読み返していると、その「船が三艘」が目に止まった…ところがこの時は何だかちょっと違和感を感じた…そこでようやく調べてみると、「大きい船は隻で数えるが、はしけやボートなどは艘で数える」(小学館新選国語辞典)とあるではないか?!わぁ~っ!逆やんか?!…そうやったんか?!

ところが、同じ辞書「艘」をみると「船の数え方」とある?!…ちょっと待て、どっちやねん?!

 

こうなったらGoogle大明神の出番である…もっと早くにそうすればよかったのだが、その時はとにかく時間がなくて、ネット検索にハマって、限りなく時間を取られるのが怖かったのだ

ともかく、Google大明神に「艘」と「隻」の違いを聞いてみると、意外な事がわかった…どうやら、タンカーなどの大型船は「隻」で数える事が多く、和船などの小型船は「艘」で数える事が多いらしいが、実は必ずしも厳密に決められているわけではないという?!それどころか逆の場合もある…というではないか?!…つまり、どっちでもええんかい?!

 

おまけに、船の数え方は、この2つ以外にも色々あるようで、ボートなんかは「一葉、二葉」と数える?!…葉書と同じかい?!…さらにもっと大きな軍艦などは「一艦、二艦」と数えるのだという?!…さらに船の形によっても数え方にバリエーションがある…という?!

例えば、こういう帆船の数え方は、帆を張った状態だと「帆」と数える?!

 

*画像はネットからお借りしました。

 

こうなったらほとんど何でもありである…さすが島国…船の種類も多ければ、数え方も豊富のようだ…というか、これって、皆好きな様に数えて、それが定着したっぽくないか?!

 

まぁ、逆でも必ずしも間違いではない…というのには安心したが、少し時間を置くと、やはり大きな船は「隻」の方がしっくりくる様な気がし、先方には一応翻訳の訂正版を送った

しかし、母国語でさえこの始末…英語が上達しないはずである(開き直ってどうする?!)

 

 

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