こんにちは。ニューヨークで役者やってます、まみきむです。

NYアクターの生活、オーディション、現場での様子、また独断によるツッコミなどをお届けしています。

 

先日TVのBG仕事にブックされた…病院のシーンだったが、この日私は患者役?!…これは珍しい事である…というのも、いつも病院のシーンでは、私は医者か看護師役という場合が圧倒的に多いからだ…でもまぁ、医者や看護師は忙しく歩き回っていることが多いが、患者だと運が良ければ車椅子で押してもらえたり、ベッドで寝たきり…なんて、比較的楽な時もある…ただ、患者の衣装は病院のガウンだけ…という事があり、これが寒がりの私には結構辛い…

 

ところが、今回のワードローブの指示では、スウェットなど、パジャマになるような楽な衣装を持ってこいという?!…という事は、寒い思いをしなくてもいいかも知れない?!

そこで、衣装ケースをひっくり返して、使えそうな物を探し、何通りか候補を選ぶ…それを全てバッグに詰めている時、ふと前回の事過去記事参照)を思い出した…その時もわざわざ衣装を持って行ったのに、結局いらなかったではないか?!…そこで、レギンズと長袖Tシャツ1枚だけを持って行く事にした…

 

その日のコールタイムは昼の12時と結構遅めで、余裕で30分前には着いてしまった…そこで必要なバウチャーの記入などを済ませても、まだ15分以上時間がある…それならBreakfastをもらってこよう!…とPAに聞くと、それはすぐ近く…「12時までには絶対戻って来るように!」と言われたので、ダッシュでテントに行き、そこにあるものを適当にピックアップして、またダッシュで帰る…この日は時間帯が遅かったので、卵やトーストといった朝ごはんメニューではなく、ハンバーガーやフライドポテトといった昼ごはんメニュー…それにコーヒーとフルーツをゲットし、ダッシュでホールディングに戻る…

 

 

もっとも、この日のプロダクションは良心的で、後でちゃんと全員に朝ごはんの時間をくれていた…

 

その内時間になったので、持参したレギンズと長袖Tシャツを持ってワードローブのところへ行く…と、患者用のガウンを渡され、それを今着ている服の上から着ていいと言う?!…その時着ていたのは、黒の長袖Tシャツに、同じく黒のレギンズ風のパンツ…それでええんかい?!大荷物持って来なくてよかったぁ!…ガウンはかなり大き目だったが、下に服を着ているので問題なし…しかも私はその長袖Tシャツの下に、さらにヒートテクも着込んでいるので、万が一セットが寒くても、寒さ対策は万全である

 

ちなみにこの日、私達とは別に4時半のコールタイムの人達もいた…という事は、この日は少なくとも2つのシーンがあるようだ…また、医師や看護師役の人達は「change(着替え)」を持ってくるように指示されている…が、患者の私は着替え無し?!…という事は、私の出番は最初のシーンだけで、2つ目のシーンが始まる前にWrap(終了)…という事ではないか?…という予想が、大体過去の経験からわかる

また、通常2つシーンがあるときは、ランチ前に1つ目のシーンを終わらせ、2つ目のシーンはランチ後…という場合が多いので、私はランチ前に帰れるのではないか?!…そしてそのランチは通常コールタイムから6時間後…という事は、今回も6時間で終了のShort dayではないか?!

まぁ、本音を言えば、ランチを食べてすぐWrapというのが理想だが、たとえランチなしでも早く帰れるに越した事はない

今日はもう朝ごはんも食べたし、屋内撮影だし、衣装は寒くないし…さらに、今日のPAさんは結構優秀で、それだけでストレス度が大きく違う…さらに、ホールディングからの眺めも素晴らしい…

 

 

今日は楽でラッキーな日のようだ…ずっとこういう現場だといいなぁ…と、かなり楽観的な気分でいたのだが、実はここからが予想以上に長かった

 

皆準備万端で待っている…にも関わらず、中々お呼びがかからない…もっとも、それは想定内である…この仕事は待つのも仕事…実際、俳優の仕事の大半は待つ事でもある…といっても過言ではないのだ…(過去記事参照)

 

しかしそうこうする内に日が暮れ

 

 

やがて夜になったが、全く出番のないまま、ひたすらそこで待つのみ

 

 

その内4時半のコールタイムの人達も到着し、その人達のワードローブの準備でホールディングは賑やかになるが、私は一向にお呼日がかからないこれはひょっとしたら、今日は出番がないのでは?!…という嫌な予感がする…また、私の嫌な予感というのは、これまたよせばいいのによく当たるのだ…その時、ようやく呼ばれた

 

呼ばれたものの、そのセットの近くのサテライト・ホールディングでまたそのまま待たされ、結局一度もセットには出ないまま、ランチ?!…という事は、私の出番はランチの後で、そのままWrapか?…まぁ、それも悪くない…と、この際ランチを楽しむことにする…

 

 

そしてランチの後、再びセットの近くのサテライト・ホールディングに戻ったが、実はここからがまた長く、待てど暮らせど一向にセットには呼ばれない待つ場所が、最初のホールディングから、セット近くのサテライト・ホールディングに替わっただけで、ひたすら待つことには変わりなかった…

 

そしていつの間にか8時間が過ぎ、オーバータイムに突入?!私まだ働いてないんですけど…

その内、4時半コールタイムの人達もセットに呼ばれ、2つ目のシーンの撮影に突入?!…でも私の出番ないんちゃう?!…段々嫌な予感が強まる中、どんどん時間は経ち、ついにダブルタイム(10時間以上)に突入?!

そして私の予感は的中し、結局一度も現場に呼ばれないまま、しかし拘束時間はまさかの12時間でWrapとなった…

 

もっとも、今回は出番が無かった事に対しては、以前とは違って(過去記事参照)そんなにがっかりしなかった…このプロダクションは新しいシーズンに入ったばかりなので、おそらくまた仕事のチャンスはあるだろう…それにどうせなら、いつかプリンシパルで出たいと思っているくらいなので、BGとして画面に映らないに越した事はない…衣装は楽だったし、朝ごはんもランチも食べられたし、しかもスト後で賃上げされた後のオーバータイムはやはりありがたい…しかも仕事してないのだから超ラッキー?!…いや、仕事はした…今日は「待つ事」こそが仕事だったのだ…

 

 

★過去記事★