こんにちは。ニューヨークで役者やってます、まみきむです。

NYアクターの生活、オーディション、現場での様子などをお届けしています。

 

しばらく更新が空いてしまい、すいません。

実は、いくつか仕事が重なり、それに翻弄されておりました…

 

その1つが、以前お話ししたリーディングの本番(過去記事参照)…実は、これが思いの外、時間と労力を吸い取られるイベントだった…リーディングとはいえ、NYではまだ劇場での上演はできないので、Zoom Readingなのだが、それはライブではなく、事前に録画&編集したものを、後にストリーミングする…というもの…いわば、私の「Online Lessons」関連リンク参照)と同じやり方である…もっとも、そこはYouTubeの無料視聴ではない様だが…

その方が、本番中にテク方面の問題が起こって、作品そのものも滅茶苦茶に…という事が避けられるし、我々俳優としても、テクの心配をしなくていいのはありがたい…特に、コネクションの所為で、セリフが聞き取れなかったり、画面が暗かったり…と、演技以前の問題で観客に伝わらない…というのが、一番ストレスとなるからだ。

また、俳優達の多く…特にある程度以上の年齢層は、テクに弱い…私にしても、たまたま自分のプロダクションのおかげでZoomに少し慣れたものの、実はZoomと完全にお友達になったわけではなく、まだまだ「こんな奴だとは思わなかった…」という目に遭わされることもしばしば…実は、今回のリーディングでも多くの事を学んだ

 

その中で、夢と現実の狭間…という様な、ちょっと幻想的なシーンがあリ、ディレクターは漆黒の闇を背後に、人物だけが浮かび上がるようにしたかった…ところが、現実の世界では、中々「漆黒」というのは難しい…黒のカーテンや幕を背後に立てても、外から光が差し込んだり、あかりが当たると違う色に見えたり…と、中々「漆黒の闇」というわけにはいかなかった…そこで、真っ黒なバーチャル・バックグラウンドを使う事となった。

キャストの中には、最初バーチャル・バックグラウンドの存在さえ知らない人もいたが、やがて全員が使える様になった…ところが、そのバーチャル・バックグラウンドには、意外な落とし穴があったのだ…

 

シーンで、白い小道具が効果的に使われるのだが、白い花も、白いタオルも、白いスープ皿も、全て画面に登場した途端、一瞬にして漆黒に変わる…さながら特撮か、ハリーポッターの世界のようで、最初は笑っていたのだが、その内、女優さんの真っ白な歯も見事なお歯黒に?!…何とその場にある白いものが全て真っ黒く映るではないか?!何やねん、これは?!

 

その訳は、こういう事らしい…キャストの1人は、自室の白い壁を背景に座り、そこにバーチャル・バックグラウンドを被せていたのだが、そうすると、Zoomのバーチャル・バックグラウンドは「白い」ものは全てバーチャル・バックグラウンドに変える…と思ってしまうそうなのだ…つまり、コンピュータには壁の白もタオルの白も皆同じ…壁の白は黒くするが、タオルの白はそのままで…なんて事はわからないわけである…それを避けるには、白い壁でなく、グリーンか青の色スクリーンを背後に立てて、そこにバーチャル・バックグラウンドを被せる事である…そうすれば、服にその色を使っていない限り、Zoomにバーチャル・バックグラウンドと混同される事はない

 

ちなみに、特撮の際に使われるグリーン・スクリーンが、蛍光グリーンなのもその為である…自然界にはあの人工色の蛍光グリーンは存在しないので、混同して消される事がないからだ…

 

また、コンピュータによっても、映り方が違う…実はMacは、割と気を効かして、実際の背景をバーチャル・バックグラウンドを分けて認識してくれるらしいが、Windowsはその辺りが融通が効かず、色スクリーンではっきり示さないと混乱するという…WindowsのPCだと、バーチャル・バックグラウンドでグリッチが起こりやすいのは、その為だという…

 

…という事が判明し、その対策が完了したのは、本番前の最後のリハーサルギリギリやんか?!…しかし、そういうテク問題さえ解決すれば、皆経験豊かな俳優達…結構いいものができた…という手応えがあり、完成が楽しみだ。

 

★過去記事★

 

 

 

 

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