平成29年の始めの投稿には、九州大学理学部物理学科


平成25年度大Ⅱー1の小問1と2を取り上げます。


厳密にいえば、大問Ⅱのくくりの大問1で、


Ⅱ-1とされています。


これは、無限に長い導体棒に電荷が、分布している


ときの電場Eと電位そして単位長さあたりのC


を問われます。


また、電流を流した時の磁場そして、2本の導体棒


に同じ向きに電流を流した場合の導体棒の受ける力が、


問われます。


私なりの問題番号を付けてきましたが、


やはり、それではややこしいのでオリジナルの過去問に


忠実に問題番号を付けていきます。


よって本問は、大問Ⅱの中の問題Ⅱー1です。



編入物理対策に人気のあるテキストには、必ず掲載


されているよく見る基本レベルの問題です。


よって、さほど難しくはなく、全問正解と行きたいところです。


小問1は、導体棒が、一定の電荷密度で帯電しているとき


導体棒の中心軸から距離rの地点における


電場の強さと向きを問われています。


電場の向きは、対称性から導体棒の中心軸に関して、


放射線状をなす、でよいと思います。


電場の強さは、ガウスの法則を用いましょう。


ガウスの法則を用いる閉曲面は、導体棒の中心軸


を中心軸とする導体棒を囲む円筒の側面に取ります。


同軸円筒の単位長さあたりの側面で、ガウスの法則を


立てます。


下図のようにたて、電場E(r)を求めます。


中心軸から距離rの位置にある円筒の側面を閉曲面として、


高さを単位長さとします。


ガウスの法則は、


2πr・1.E(r)=(1*σ)/ε₀


と表せれます。


E(r)=σ/(2πrε₀) と電場の強さE(r)は、


与えられることが、分かります。


下図において0<r<aの領域におけるE(r)を求めておりません。


でも、そこでは、導体棒の内部よりE(r)=0です。


このように、簡単に考えて果たしていいのでしょうか?


導体棒内部に電荷が、存在しないときは、


「導体棒表面に一定の線密度の電荷を与える」という


記述が、あります。


ところが、本問にはありません。


なんとも、難儀なことですねえ。


でももし内部に電荷が、存在するときは、


導体棒内部に、ビームが、存在するときのみ、


でしょう。


ですので、ここは、超基本的な解釈どうり、


導体棒内部に電荷は、存在しないと、


考えてもいいでしょうし、その方針で、


解説を進めます。


小問2は、電位V(r)を求めよ、というものです。


電場Eは、保存力の場より、大問Ⅱのように、


V(r)=-∫E(r)dr  で求まります。


ここで、積分領域をr=0、∞に取ることができません。


ここが、本問のやまばの一つです。


そこで、r=r₀の位置でV=0、として電位の基準点


を自分で、定義して、電位Vを求めます。


V=-∫(r=r₀→r=r)E(r)dr


で下図のように求めます。


すると、


E(r)=1/(2πε₀)*(σ/r)


v(r)=(σ/2πε₀)*log(r₀/r)


が、問いⅡー1の小問1と小問2の解です。


小問3以降は、次回の投稿にまわします。




3-1