今回は、京都工芸繊維大学平成28年度

数学の大問Ⅱ以降を取り上げます。


28年度数学の問題でこの大問Ⅱが,最も

イヤらしいかもしれません。

本問題が,すんなり解ける人は ,演習経験

が豊富で,1回解いたとのある人。

または,確固たる方針を知らなくても,基礎

事項に基づいたドロクサイ計算を時間が,

かかっても,不安にかられない精神力を

持ち,正確に計算を進めていける人でしょう

とはいえ,難しい問題ではありません。


まずは,分母を因数分解し、部分分数に

分けます。




次に部分分数に分けた各項の被積分関数

を分子の次数が分母の次数よりも小さい

形に変形します。

このときI1の第2項I2とおいています。

このI2をどう処理するか, が大問Ⅱの最大

のヤマバです。  


①まずは,分母の関数の導関数が分子に

現れるよう「なかば強制的に」 変形します.

1/f(x)=g'(x)/g(x)+c/h(x)

の形を目指します。

c:定数

g'(x)/g(x)の処理は,簡単ですね。

c/h(x)の処理は,h(x)を平方完成し,

c/(a^2+x^2)の形をくくりだします。

ここでx=a・tanθと置換して解いていきま

す。

工夫に工夫を重ねるような処理ですね。











答は、本当にややこしい形ですね。



後は、極限をとって終わりです。




大問Ⅲは,2変数関数の極値問題の典型的な

もので,これといって,ややこしいことは

ない,と思います。

28年度は,この大問Ⅲが,最も処理しやすい

かも。














大問Ⅳも簡単です。

ただ、微分方程式の解をいきなり,書いて

終わり,というのは,避けたいです。

同次微分方程式の特性方程式が,

複素数解を持つとき、微分方程式の

一般解は,sin,cosの線形結合で表される

ということを公式のように使うのではなく

それを導いていくような解答が,望ましい

でしょう。

①問題で与えられた微分方程式の特性方程

 式の解は,複素数解となり,そこで得られた
 
 基本解の線形結合をとり,一般解が得られ

 る。

②exp(i√at)をオイラーの式を用いて

  sinとcosで表す。

③sinとcosの前の定数を1つの定数に

  おきなおす。

 その際,虚数単位iが存在する時は,それを

  含めて,1つの定数におきなおす。

というように①②③を記述していき

ましょう  。

後は,下図のようにすれば,解が得られま

す。