昨日の朝、俺達の古くからの友人が亡くなりました。ガンでした。

闘病の最中とはいえ、あまりに突然な知らせ。

今、俺自身、曖昧な、言葉にならない感情の中をさ迷ってて。思考が延々ととぐろを巻いてるような状態。


それでも、どうにかこうにか、もやついた心を何とか言葉にしたくて。伝えたくて。

思い出ばかりが頭を過ぎ去っていく。考えちゃうね。

思えば、ヤツとは随分と長い付き合いになってた。その間、お互い少しずつ少しずつ大人になってきた。


初めて会ったのは俺が18、19とかそんくらいで、ヤツは1つ上で。

前のバンドからの付き合いだったけど、当時から全然年上っぽくなくてさ。

その見た目といえば、例えるなら、爽やかの方向性を少し間違えちゃった河村隆一、って感じだったのをよく覚えてる。

優しさと人なっこさが同居したあの笑顔、良い人っぷりが空回って、たまにウザいくらいな所とか笑、当時からずっと変わらないままだったなぁ。


初めて会ってから10年以上。

ヤツとは多くの時間を共にし、音を鳴らし、ツアーをした。

金がマジでなかった頃には、ライブハウスの楽屋に炊飯器を持ち込んで、文字通り同じ釜の飯を食ってた。


喜怒哀楽とその多くの時間を、若さと共に、俺達は共有してたんだね。

沢山の夜を越えて来た。

今はなき、京都のウーピーズの前で酔い潰れ、行き倒れ、ゲロにまみれたまま寝てしまったヤツを、みんなでホテルのベットに投げ込んだあの夜。


TRIBAL CHAIR脱退が決まって最後のツアーの時、ライブ後、ノリでヤツを名古屋に置いてったあの夜。


いつかの千葉ライブ後にもノリでそのまま置き去って、翌日の水戸に俺達は別々に楽屋入りしたっけ。



一言では語り尽くせないほどのネタの宝庫つーかさ

いやいや、つくづく皆からイジられ、愛された男でした。


わずか3ヶ月前の、ついこないだの高松ツアー。オフの日に向こうで療養していたヤツを訪ね、見舞い、一緒に出掛けたりもして。

そん時にこんぴらさんの麓で俺達二人は大いに語り合ってさ。

俺のバンドに対する迷い、ヤツの病気の話、今だから言えるバンド辞めた時のぶっちゃけ話、色んな話をしたけど、

あの日、あの場所で、あの時間がなかったら、俺もバンドを辞めていたかもしれないと、本気で思うよ。



不安を飲み込み、病魔と戦い続けようとする、ヤツの意思と言葉がどれだけ俺の背中押してくれた事か。

真っ暗だった俺の足元を、今一度照らし出してくれたんだ。


ありがとうサトシ。


ありがとう。



でも、さすがに早いよ。

お前が背中を押してくれた通り、俺はこの二本の足で、意思で、音の旅路をもう少し遠くまで歩こうと思ってる。行ける所までさ。


だから、まだそっちにはいけないから、先に行った皆とのんびり待っててくれ。

サトシの次なる旅路が安らかなものになるよう願ってる。


ありがとう。



今はもう少しだけ、彼に思いを馳せ、過ごした時間を偲んでみようと思います。


おやすみなさい。


ヒロキ


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こっちでいう地下鉄なんだろうけど、MRTて電車に乗っていざナイトマーケットへ。チケットが紙でもカードでもなく、ICチップが仕込まれたプラスチック製のコイン。降りる時にチャリンとな。これ日本でもやりゃいいのに。俺みたいな奴はすぐなくすだろうけど、資源の無駄がなーい。

ナイトマーケットは東京でいうアメ横の、あの街の感じを何倍も規模大きくした感じつーのかな。

数えきれないくらいの食べ物屋台、メニューの中には想像すら出来ないものもちらほら。鉄板で油が焼ける音、立ち上る湯気、けたたましい呼び込み声に鼻を通り抜ける臭い。この感じ大好き。うは。

角を曲がれば、店先で幼稚園くらいの子供が犬と戯れてる。

その目と鼻の先では悪そうなオッチャンが観光客相手に女を買わないか、なんて声かけてるんだ。

様々な人達が、様々なものを売り、ヘビ料理も漢方薬もブランドのバッタモンも、すべてがありのままに混ざり合った、猥雑でエネルギッシュな空間。光も影も両方あってこその街だよね。東京でも、渋谷より新宿とか上野のが好きなのはこういう所なんだよね。

歩いてるだけで、やっぱ日本はアジアの一部をなんだなって、感覚やら共通したもんがはっきりわかるよ。

マジちょっとだったら住みたいくらい。物価安いし。ちなみにご飯は1人2、3品食べて、軽く飲んで300円~500円くらいじゃないかな。

すっかり台湾かぶれですわ、我ながら。

てな訳で、次回へ続く。


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ただいま、てな訳で無事に戻って来ました。

昨年に続く二度目の台湾。前回がめちゃくちゃ南国陽気だったから、その気でいたら、雨続きでさみぃさみぃ。写真はラスアラのヒロシ君とプチ遭難気分になるほど雨に打たれた…チュウフンの町。美しかったけど、過酷な観光。

そんな訳で今回の旅は、海外ライブっていうのは勿論、今年を締めくくる最後のライブってのもあって、行く前から楽しみのワクワクも、緊張のドキドキもしてました。何よりどうせなら現地の人には目一杯日本のロックを、俺達のライブを楽しんでもらいたかったしね。

今回も宿はKUMAKUNにお世話になって、その居心地の良さに台湾に来たなって実感すると言うか、まあゆるくて温かいんだな。森山くんもスタッフのみんなも元気そうで何より。
初の海外ライブになったラスアラ兄さん達、COUNTLOSTとも充実した時間を過ごせたよ。わいのわいの、バンドマンが大人数で海外行って、珍道中にならない訳がないじゃんよ…。

まあ、話はおいおいゆっくり書いてきます。
皆それぞれに前向きな日々を。


ヒロキ