ディーラーを引退して株は中長期専門の投資家になっているのですが、
相場が下げている時の心理はどうだったのかな?
と思いかえしてみました。
証券会社のディーラーは会社の規模によって色々な方針がありますが、
準大手の一部と中小証券は手数料で稼げなくなったので生業としてディーリングに力を入れていました。
上記証券ディーラーは成績によりインセンティブがつく契約社員のディーラーが多いです。
契約ディーラーの雇用は不安定で損を出し続けたらクビです。
どこの会社に行っても仕事は同じなので彼らは少しでも待遇のいい会社に移りたがります。
FA制度がないプロ野球選手をイメージしてもらえるとわかりやすいと思います。
どこの球団に行っても一つのルールの下、野球をやる仕事は変わらないという感じ。
そのため、引き抜かれたくない証券会社はヘッジファンドや外資系証券がビックリするほどの高額な報酬が常識となっていました。
ではなぜ、証券会社は高額の報酬を出せるのでしょうか?
カッコよく言えば
「リスクを管理している」
ということになりますが、そんなカッコイイものではありません。
管理部門は機械に管理をまかせ、居眠り三昧の会社もあるくらいですし。
「リスクテイクをさせない」
という言い方が正しいでしょう。
ディーラーに許容するポジションの額を極力少なくし、収益の変動を抑えるために日計り(オーバーナイトをせず、一日で完結する取引)を基本にしていました。
そのため、日常の損に対しては非常に厳しく、
「累積で200万円損をしたらクビ」
という会社もザラでした。
そのような環境の中で利益を求められるため、リスクを最大限回避した取引をしなければいけません。
上げ相場の時は何とかなるのですが、自由に空売りが出来ない環境の中、下げ相場で利益を確保するのは至難の業です。
下げ相場は少しでもハンドリングを間違うと損失が出ます。
下げ相場は休んで、上げ相場だけ参加する余裕のあるディーラーも少なく、下げ相場に果敢に突撃して散っていった武将達は星の数ほどいます。
結論から書きますが、プロのディーラーも個人投資家も心理面では一緒だったりします。
では、彼らの心理はどういうものだったのか、自分の例も含めて検証したいと思います。
次回に続く