2日寝不足で窯を焚いたら大ポカをした。
指定温度1230度に達して、消した気になって温度確認だけして窯の火を落とさないで寝て
1230℃をキープした状態で7時間ほど引っ張った。ひ~。
朝方に寝て、昼すぎに仕事場にあるものを取りに行ったら窯がまだゴーゴー音を立てているのに気がついたときは
ゾーッとしましたよ、本当に。
なによりそんな無茶なことをして窯が無事に保っていてくれたこと、
フルで火を焚きながらそのまま窯が崩壊してしまったりして大火事になったり
途中で火が消えてガスだけ出て大爆発になったりとか
そういう大惨事につながらないで済んだこと、にとにかく感謝をしました。
窯と、神棚と仏壇と、全部にあらためて手を合わせて感謝をお伝えしました。
最高の温度で時間も余計に引っ張ってしまって、中の作品がどうなっているのかは全く分からない。
全部だめになっているケースだってあるんだけれど
もうそれはそうだったらそれで仕方ない。
窯が無事,火事を出さないで済んだ、もうこれだけでまず万々歳。
昨日、窯の失敗に気がついた時点でもう中の作品についてどうのこうの考えるのはやめました。
シュレーディンガーの猫、ですよ。
もしかしたらとんでもない大失敗かもしれないし、
もしかしたら7時間窯を引っ張ったことが逆に良い効果を作品に与えているかもしれない。
それは私が「観測」することで具体化するわけです。
観測していない今の状態では、どうなっているかは混とんとしていて決まっていないわけですよ。
窯が冷めるまではとにかく自分を「窯がうまく焚けている世界につながる世界線」に乗れるように
あまり深刻にならず、できるだけ気楽にして
目の前のことに集中するようにしました。
で、今日窯出ししてみて。
作品は基本的に無事でした。
焼き過ぎたせいで、高台(茶碗の足)の部分が窯にくっついてしまい窯出しの時にほとんどの作品の足の部分が欠けたくらいのダメージで済みました。
全部割れていたり溶解してしまったり色がおかしかったり、ということはなく
高台の傷以外はまぁまぁ綺麗に焼けていました。
大成功とは言わないけれど、とにかく求められている個数の作品は取れそう。
ホッとしました。
窯自体もそんなにダメージは無く、と思ったら
サヤ(窯の中に組む箱)が何やらメルトダウンしていました。
メルトダウンしたところが窯の棚板まで流れてしまって
サヤと棚板ががっちり窯にへばりついてしまった、、、。
でもいいや、作品が無事なら何でも良い。
あと、このメルトダウンしたテクスチャー、なんか魅力的。
これを再現して作品に使えないかしら。
一連の窯出し作業をしていて、ふっと
「ああ、陶芸ってオモシロイなぁ。好きだなぁ」
と頭の中で誰かが言っているんですよ。
こんな失敗して「オモシロイ」んだってさ。(笑)
魅入られちゃってるのね、やっぱり。
最近仕事がのってないから私達の仲を心配しちゃったけれど
結局私はちゃんと陶芸と同行二人の行脚が続けられているようです。