映画のお話。
たまたまだけど、続けてホームレス映画を2本観ました。
山川紘矢さんのブログで御紹介のあった「神との対話」映画版。
日本語字幕付きがYou Tube にあります。
著者ニール・ドナルド・ウォルシュさんがどのようにホームレスになって、「神」との対話が始まって本を出版できるかまでの自叙伝的ドラマ。
「神との対話」の本編ではニールさんがどんなふうにホームレスになってどのように暮らしてどのように這い上がっていったかということは断片的にちょこちょこしか出てこないので、背景を知るという視点で興味深かったです。
私がアメリカに行っていた頃に子供向けの教育番組でホームレス問題を取り上げていて、空港で寝泊まりする一家の話が絵本になっているのが紹介されたり、一家のホームレス、子供のホームレスにフォーカスしたドキュメンタリーとなっていて記憶に残っています。
「神との対話」のニールさんもなんだけれど、アメリカって先月までバリバリに働いていた人があっという間にホームレスになっちゃうことがある国なんだなー、と身につまされました。
それはたとえば家族と言えども個人主義的で血縁が頼れない、突然の怪我や病気に対して国民健康保険的なものが無かったり、「自己責任」の国の厳しさの一コマともいえますが、
アメリカって国では本当にすぐあっという間にホームレスになってしまう。
「アメリカ人」と書きましたけれど、日本人だって持ち家が無くて賃貸で暮らしたり社宅に住んでいたのが首切りに合うと、実家や親せき、血縁に頼れなかったらすぐにでもホームレスになってしまうのは同じこと。
先日の選挙で聴いた山本太郎さんの街頭演説によると「東京のネットカフェで寝泊まりしている人の4割は帰る家を持たない人」、そこからさらに一歩お金まわりが悪くなるとホームレスに急転直下です。
自分は親戚の「お情け」で今この家に住んでいるので、正直日本でもアメリカでもホームレスの人を見かけると他人事とは思えない。
いつなってもおかしくない、明日は我が身、と思うと町角でBIG ISSUEを売っている販売員さんがいたら絶対に買ってしまいます。
そんなこんなでニールさんがホームレスに転落していく描写やホームレス生活に抵抗あるながらも馴染んでいく様子が他人事と思えなくて辛くなってしまって、何度も休憩しながらやっと観終わりました。
なんの保証もない自分もすぐこうなるし、こうなったときにゴミ箱をあさっても生きていく気概はあるだろうか?と自問してしまいます。
全体的にはニールさんのサクセスストーリーなので、観終わったときの気分は良い映画です。
もうひとつはこちらも実話、イギリスのストリートミュージシャンでホームレスの若者がある日一匹の茶虎のお猫様と出会って・・・という「ボブという名の猫・幸せのハイタッチ」。
こちらの主人公はニールさんと違って若い青年。
でも麻薬中毒の治療中、更生の途上にあって良きカウンセラーの女性の骨折りでまずはストリートから脱出できるところから始まります。
その新居に迷い込んできた一匹のお猫様を実際の「ボブ」本猫が熱演されています。
お猫様との暖かい関係性が主人公のジェームズ君の心を照らし、暖かさを周囲の人間関係やジェームズ君を取り巻く世間に広げていきます。
なぜこんな若い、働き口もありそうな人がホームレスに?と映画の最初には思ったのですが、
「オクスリ」。
日本に蔓延していなくて良かったなぁと思うものに「オクスリ」、それから「銃」がありますが、この2つを大々的に上陸させなかったことは戦後の日本政府を褒めていいと思います。
ジェームズ君がホームレスになったのはオクスリのせいばかりでなく、オーストラリアとイギリスと、国をまたいでご両親が離婚、イギリスで頼ってしかるべきお父さんが再婚した女性に邪険にされて「ホーム」というものをイギリスで持ちえなかった、というのも一因。
日本で今中年の引きこもりを老齢の親が抱えている「8050問題」なんていうものがあって、ひきこもりの中年息子の家庭内暴力に手を焼き未来を悲観して父親が息子を殺してしまったりする事件もありましたけれど
欧米の家庭のようにドライに「成人したんだから出ていけ」とやったら町にいる若年・中年ホームレスは今の何倍にもあふれかえるのかもしれない。
だからなんでも家族で抱え込めということではありませんが、今の日本の状況は日本社会のある種の優しさの反映でもあるのかもしれず・
この家庭の甘さ、優しさが機能しているうちにどうにか自立支援の道が間に合うといいなぁと思います。
おっと、この映画の話に戻ります。
主人公が幸運のお猫様と知り合ってから事態は好転するように見えつつ、ちゃんと要所要所に壁が立ちふさがりそんなにスルスルうまくはいきません。
「BIG ISSUE」を売り始めるとお猫様人気で売れ行きの良い主人公が同業者に嫉妬されてしまったり
本格的に薬から足を洗うための「断薬」の苦しみのすさまじさはなかなか見ていて辛かったので、こちらも休み休みでないと完走できませんでした。
でも何もかもを救うのは本猫様出演のボブさんの熱演。
私は猫というのは人類を骨抜きにするために宇宙から遣わされた宇宙存在だとにらんでいるんですが・
この映画を観てそれをますます確信しましたね!
絶っっっ対にボブさんは撮影の現場で何をすればいいのか解って「演じて」いたし
そもそも本物のジェームズ君のところにも「彼を救おう」という意図を持ってやってきていますね。
猫は絶対に「動物」「けもの」なんかじゃありません・地球外知的生命体です。
耳の先から尻尾の先まで全身可愛くないところがないという完璧な容姿と常に魅惑的な完璧な態度による愛と癒やし攻撃で地球人を戦闘不能でピースフルな骨抜きにするためにアンドロメダ(だという話)から送り込まれたんです、彼ら。
もちろん大喜びで侵略されますとも!!
猫は宇宙を救う!
地球人よ、とっとと全員猫に侵略されてアセンションしてしまえ!!!
本物のジェームズさんとボブ様。来日時のショットみたいです。
https://sippo.asahi.com/article/10563219 よりお借りしました。
双方良い映画でしたが
「神との対話」はちょっと体力ないとまた観ようと思えないかもしれない。
「ボブさん」の方はちょっと癒されたいときなんかにまた観てみたいと思います。
んじゃね。