今回のヴィパッサナー瞑想合宿、基本的に瞑想の向上とか全くなかったのです。

殆ど体の痛みと格闘するだけで終わって最後の1,2日だけようやく瞑想らしいことができた感じ。

1回目の時の華々しい体験のようなことは全く、全く、全くありませんでした。

でもそれも2回目ならではの醍醐味だったらしい体験なので記録していきます。

 

4日目になって鼻呼吸に集中するアーナパーナ瞑想から身体の表面の感覚を「具体的に」感じることに集中するヴィパッサナー瞑想へ指導が移ります。

その日は最初の日にしたようにパーリー語で再び「この教えに帰依します」みたいな宣誓をみんなで唱えさせられたりゴエンカ師の録音指導が多く入るいつもと違うスケジュールになったりして、特別感があって引き締まります。

 

身体の痛みの対策を続けているものの付け焼刃で痛みは絶好調、そして私の体調か音声の新しい録音のせいか、ヴィパッサナー瞑想の具体的な指導を聴いている時に、ひとつひとつの体の部位ごとに繰り返して「○○の表面の感覚を感じなさい!」と強い口調で指示されるため

ゴエンカ師の大きな声に追い立てられるような追い詰められるような、とても辛い気分になりました。

身体は痛いしめまいはしてきちゃうし、ゴエンカ師が出す身体の表面を追う指示のスピードが家で自分がやっているものよりかなり速くて、大きな声で責めたてられて圧迫されているような気分になって

「こんな苦しい目にあうなんて、あたしなんでここに来ちゃったんだろう?帰りたい!!」とまで思いました。

 

初日には来られて嬉し涙まででてたくせに。(笑)

本当にもう、「2回目だから何か『向上』してやろう」という考えはその時捨てました。

だって家で自分のペースで気楽にヴィパッサナー瞑想していた時のがまだ何かできたよ、というほどガタガタになっちゃって元にも戻れないんだもん。

「なんできちゃったかな~」って思うよね、そうなると。(笑)

 

その日の夜にちょっと軽い咳が出て、5日目の朝になったら何か体の調子が悪い。

でも「鐘の係」だし顔を洗うのもシャワーを浴びるのもどうせ同じことなので朝シャワーもして、4時半からの朝の瞑想にホールに行ったら、6時から始まるゴエンカ師のパーリー語の読経が頭にガンガン響いて辛くてたまらない。

このコースを、この組織を作ってくださったゴエンカ師のことは感謝も尊敬もしていますが、

「アタシこの人の声、大っ嫌いかも!」とまで思ってしまいました。

前のコースの時にはだんだん慣れて楽しめるようになっていったのに、今回は慣れないところかどんどん耳について辛くなる。

この日から試行錯誤をしてみて朝の自主練瞑想は最初はホールに行き、ゴエンカ師の詠唱がかかる前に退席して自室で行うようになりました。

ゴエンカ師の詠唱は「皆さんの瞑想がより良いものになるように良い波動を出している」という説明なんだけど、不徳の致すところです。

 

5日目はそんな感じで体の調子は熱っぽいし益々痛むし、朝食や昼食の後の1時間の休憩には必ずベッドに横になって休むようにしてけれど、とうとう午後の自主練瞑想の時間も寝入ってしまって、その後の必ず出席しなければならない全体瞑想の時にコースマネージャーさんが「大丈夫ですか?」と起こしにきてくれてやっと起き上がるような有様。

 

ところが。

そのガタガタになった5日目を境に、嘘みたいに身体の痛みが薄くなったのです。

座っていてもひどく痛くなったりしない、

体自体が緩んで別物のように軽くなり

自力整体で体が固くなっていて全然できなかったポーズが楽にできるようになる、

ひきつれて痛かった筋も痛まなくなった。

 

あれ~?と思いつつも「あれ」だな、と合点がいきました。

あの熱っぽかったのは軽い風邪のようなもので、具合が悪かった1日で風邪が体を通過して、身体の歪みを根こそぎ治していってくれたのでした。

この辺の理論は「野口整体」の野口晴哉先生の「風邪の効用」というご著書に詳しいですね。

 

そして4時起き、22時就寝、朝ごはんはリンゴ半分とミカンかキウイ1つ、お昼は玄米菜食、正午以降に口にできるのは水、お湯、レモネード、ほうじ茶、だけ、という超絶ストイックで健康的な生活態度が私の体を「反応の良い身体」にしてくれたために、風邪がすーっと気持ち良く通過して存分に迅速に仕事をして出て行ってくれたようです。

毎日痛くても頑張ってやった自力整体も体を緩めて反応の良い身体作りに貢献してくれたかもしれません。

VIVA風邪!!VIVA少食!!VIVA自力整体!!!

 

ああ、これでやっと瞑想に向き合えるよ、と安堵した6日目だったのでした。