今日の作業着。
長くブログを読んでくださっている方にはおなじみの、黒タートルネックの上にワインレッドに仏教っぽい花や雲の柄の絹物、綿の半幅帯、すごくあったかいちゃんちゃんこ。
この着物は裏は綿、軽くて暖かくて本当に昔の庶民の御嬢さんの気楽な街着という感じ。
この着物はもともと「一袋1000円詰め放題」で手に入れたもの。
生地のモノとしては良いものだけれどなにぶん古いものであるために、ところどころもうこんな感じで布が擦り切れてきている。
お袖も赤い振りがついて中振袖くらいに長かったものを、短く折って年齢が上の人でも着られる長さにして抹茶色の振りを上から付け直してある。
抹茶色の振りは擦れてボロボロ。
見にくいけど袖の下の方が荒く縫われています。
振りの付け方もたどたどしくて、自分が着るのに一生懸命にやった感じ。
人によってはこんなものをよく袖を通す気になる、と思うかも。
でも私は学生時代から古着が平気な人だし、もっとさかのぼって考えれば次女だから着るものは大人になるくらいまで下着以外はほとんどすべて姉のお古を着ていたため、古着は表がきれいなら裏はよほど生々しいシミでなければ平気な方。
それよりこの着物だと、長い袖を折ったり振りを地味にしたりして物のない時代に何とかこの着物を着ようとした痕跡がなにか心に迫る感じがあって味わい深い。
この着物を最初に来ていただろう人、もしかして譲り受けられて袖を通した人、どうにか算段して娘時代の着物を着られるようにした人・・・・。
古い着物は特に、戦中戦後の物のない時代に「食べ物に変わっちゃった」で町から農家に譲られたりしたものも多いだろうから、この着物もそういうドラマをくぐったりしたのかもしれない。
そもそも絹の生地っていうのはお蚕さんの命と引き換えに頂いている素材。
そこも考えるとどんな古いものでもずいぶん尊いと思ってしまう。
(命を奪う素材だから聖者に会いに行くときNG,って言われることもありますね)
そんなことをぼんやりと思うとどうにか工夫して着てあげたいと思っちゃう。
そしてこの着物の場合、本当に今シーズンぐらいで寿命が尽きそうなので、その後どうやって布を使ってあげたらいいのか考え中。
擦れて切れていないところは結構まだ強さもあるのです。
でもそんな古布がたくさんあるんだー。
本文とは全然関係ないけれど、「名古屋帯でふくら雀を結ぶ方法」を詳しく載せてくれているブログを発見。
いやぁ~美しい方が主催されている着付け教室みたいですね。
https://kimonoshake.jp/archives/1533
なかなかお役立ち情報が載っていそうなのでチェックしましょう。(*^_^*)
正装が「お太鼓」「二重太鼓」っていうの、本当にどうしてそうなっちゃったのかしらん。
ふくら雀とか、年配でもプレーンならやっていいってことにならないかなぁ。
アタシ一応独身者だし振袖だって着られるわけよ、まだ。(笑)
今年の暮れには王子稲荷の狐行列に振袖で出てやるっ!!!