21日の月曜日は、本当だったら19日に着た色無地を着て、友人同業者の受賞のお祝いに馳せ参じる予定でした。

が・色々なアクシデントがあって叶いませんでしたっ。

 

1月20日から21日にかけての深夜。

私は仕事場外にあるガス窯を焚いていました。

仕事場は12畳のプレハブで、その外にコンクリートのたたきがありまして、そこに窯を設置して、風雨をしのげるように小屋掛けだけしてあるのです。

 

深夜3時30分、窯が指定の温度になったので火を落とし、満月の一日前の(もう満月?)冴え冴えとした月明かりを楽しんで外に佇んでいました。

 

あれ?なんか焚火の臭いがする・・・・?

あれ??なんか・窯の上の屋根がオレンジ色っぽいんだけど?????

火ぃ!!!

 

窯小屋の屋根が燃えてます。

窯の直接の上の屋根はトタン板だけれど、離れたところは採光のために塩ビの波板が貼ってあります。

それが燃えている。

なんで??もなにもありません。

消火です!

ということで、外水道の栓を全開にして、窯小屋近くまでホースをぐいぐい引っ張っていき、水をかけようと。

 

水が出ないんですけど??

 

ホースが外れてるのかな?と水道の蛇口付近を見直したら。

 

ホースじゃなくて 蛇口ごともぎり取れていました。

 

何じゃそりゃ?

って突っ込む間もなく、私は燃える屋根をどげんかせんといけんわけなので、すぐさま屋内に走りこんで屋内の水道の蛇口をひねるも

 

水、でませ~~ん!!

 

どうやら外の水道の蛇口が取れて、そこから盛大に水が漏れているので圧力不足で屋内まで水が来ないようでした。

 

でも私は燃える屋根をどげんかせんといかんわけでして。

 

畑をはさんで200m位離れたお隣の家にバケツを持って走っていき、

お隣の外水道を使ってひとりバケツリレーを敢行、

燃える屋根に下からでは届かないので梯子をかけて、バケツを抱えて昇って水をぶっかけること3回。

どうにか鎮火させました

 

夜目にオレンジ色の残り火みたいなものが見えなくなったのを確認して、

噴水みたいに水が上がっている外水道の蛇口をはめ直せないかちょっと格闘してあきらめて、

水道の元栓を閉めて、とにかくクタクタなので布団に入りました。

が・本当に火が消えているのか心配でとうとう眠ることはできず、朝になりました。

 

屋根はこ~~んなかんじ。 




 

はろー、さんしゃいん。

 

蛇口はこーんなかんじ。



火事場の馬鹿力でもぎり取ったのか、俺様?

 

水が使えないとトイレも流せないので、お隣に事情を話してもらい水をして、

水道の業者さんに連絡して修理を依頼。

風呂も入れず自分も工事が済むまで家に居なければならない。

とても着物着て都内にお出かけなんてできません。ちーん。

 

なんで火が出たのか。

ガスの窯を止める前のタイミングで一度窯の中に盛大に空気を送り込むことをします。

その時、窯の煙突から火の粉が相当に上がるのです。

どうやらその火の粉が、屋根に積もっていた枯葉に点火したようです。

山梨に来て20年近くなりますが、こんなことで屋根に火がついたなんて初めて。

この冬の異常なまでの乾燥のせいだろうと思われます。

乾燥についてはさすがに気になっていたので、窯の周りの落ち葉などは綺麗に掃除していたのですが、屋根は窯の周囲はトタン板だし安心していたら、離れた燃えやすい部分が燃えた。

 

水道の蛇口が取れちゃうなんて昔のコメディ映画みたいなアクシデントがあった割には冷静に対処したのですが、色々な意味でラッキーが重なって大難が小難になったというのも思い返したら解りました。

 

1・窯を焚き終わったタイミングで、出火にすぐ気がついた。

窯が終わったら泥のように疲れて母屋に入って眠ってしまったと思うので、その後に火が出ていたりしたら大きな火事になるまで気がつかなかったでしょう。

 

2・水道が壊れても、すぐに隣家に行けた。

お隣は親戚の家だし、このあたりによくあるように何分も歩かなければならない距離の「隣家」ではなくて比較的近い場所の隣家であったり、外水道の場所もすぐにわかるのは勝手知ったる親戚の家だからでした。

 

3・満月で、すごく明るい夜だった。

新月の夜になんか、懐中電灯なしには自分の手も見えないような1歩も歩けない本当の闇夜になります。

それが月明かりで影ができるほどの明るい夜だったので、バケツを持ってまっしぐらに隣家に走ることができました。

 

4・私が比較的元気だった。

いつもの窯焚きの場合と違って、今回はけっこう事前に普通の生活ができていました。

すなわち寝るべき時には寝られていて、きちんと判断力もあったし梯子に上ってもふらふらしない程度の体力もありました。

ありすぎて蛇口ごともぎり取ってりしたみたいですけれど。

 

5・窯の中の作品が近々の展示のためのものではなかった。

未だに引っ張っている夏のクラウドファンディングの返礼品を焼いていました。

これがよく私がやるみたいに、窯を焚いた次の日に出して、その足で自分で運転してどこかに搬入、なんてことになっていたら・

火事で大事にはなっていなくてもその後のどこかのタイミングで必ず事故ってしまう危険性大でした。

窯の後の予定が「他人のお祝いに行く」程度だったのは幸運でした。

 

ということで、ボヤはアクシデントだったのですが何重にも神様とご先祖様のご加護を感じて、

「まぁ窯が無事だったからいいや」とほのぼの感謝に落ちついた21日の昼でした。

 

ところがスーパーブラッドムーンの満月のデトックスはまだ続いたのでありました。(笑)