10月からず~~~~~と心にのしかかっていた複数の追加注文をようやく作り終えたタイミングで上京する用事ができました。

まず前に働いていた陶芸教室の生徒さん達の展示に顔を出してから、その後どうしようかと考えた時に、稲妻のように「映画が観たい!!!」と閃いたので、カフェで簡単なお昼を食べながら検索、帰り道の立川で一気に2つ観たい映画が観られると解ったのですぐさまネット予約。

1件都心での展示を見てから立川シネマシティ2で18時20分からの「ブラック・パンサー」、その後移動時間たった7分なんだけれど姉妹館のシネマシティ1で「シェイプ・オブ・ウォーター」を20時50分より。

 

立川シネマ・シティは1年間の会員費1000円で例外もあるけれど封切りしたばかりの映画でも平日1000円で観られて、館内でのスナック類もほとんど半額になるという太っ腹。

この日私は普通にばらばらに映画を2本観たら1800円×2で3600円のところを1年間の会費と新作映画2本で3000円、しかも「極音爆音上映」という音響効果に迫力と臨場感を最大限体験できるような設備で楽しめるという「映画は映画館で観ましょうよ~」と積極的に主張してくれている素敵映画館。

これから1年何かと通わせていただきたいです。

詳しい映画館の説明はこちらから。↓

 

https://momonestyle.com/tachikawa-cinema-city-is-too-terrible

 

さて、「ブラック・パンサー」。

私にしては珍しいマーベルコミックスのアクションヒーローもの。

でも単なるアクションヒーローものでなく主人公ブラックパンサーはアフリカの架空の国「ワカンダ」の王子で、ワカンダは表向きは貧しくも平和な農業国だが、実は地球再硬の鉱物ヴィブラニウムを利用した高度なテクノロジーの楽園を築き上げている。

ブラックパンサー、とは国王の立場にあるものがヴィブラニウムによるテクノロジーと聖なる薬草の力で変身して戦う姿。

国際紛争に巻き込まれないようにヴィブラニウムの存在は国外には秘匿、テクノロジー国家の姿も熱帯雨林のホログラムで隠している。

そのヴィブラニウムの秘密が国外流出の危機にさらされ、さらに王子の偉大なる父王が国連での演説中にテロにより逝去,王子は王位継承をすることになるが、、、というお話。

 

https://marvel.disney.co.jp/movie/blackpanther.html

 

登場人物のほとんどがアフリカ系、アフリカの民族美術、音楽、風俗を未来的ハイテク世界と融合させた画期的で新鮮で魅力的な世界観、現在のアフリカ諸国およびアメリカのアフリカ系アメリカンの状況にも言及する社会派ヒーローもの、ということで前評判が非常に高かったので楽しみでした。

 

とてもよくできた娯楽大作でした。

 

主人公ティ・チャラ王子(王)を守るスキンヘッドの女戦士の皆様とか戦闘仕様のサイとか、いちいちビジュアルがかっこよかったです。

「最強のふたり」を観た時にも思ったんだけれど、アフリカ系の鍛えた人のバネの効いた動きと身体というのはもう生物としてとても美しくて見惚れてしまう。

そして誇り高い民族衣装ベースの衣装の美しさ。

主人公の王子様は王子様なのでちょっと精神的に甘いところがあったりするのでそこで苦境に落ちるんだけれど、主人公を支えて戦い抜くのが女戦士軍団・親衛隊長と元恋人の工作員と天才科学者の妹、と女性がアクションを含めて大活躍なのも魅力的でした。

 

ワカンダが希少鉱石ヴィブラニウムによってもたらされた繁栄を秘匿することで国内外の平和を守ってきた一方、先進国に搾取されて荒廃していった他のアフリカ諸国にも過去に奴隷として連れ去られた場でいまだ十分な人権を勝ち得ているとは言えないアフリカ系アメリカンの戦いにも手を差し伸べてこなかったことの矛盾も、その矛盾の申し子のような敵役のアフリカ系アメリカンのテロリスト・キルモンガーがよく体現しています。

 

とはいってもなにしろマーベルコミックなので、すっきりとよくできた子供から大人まで楽しめるという「娯楽大作」。

こういうタイプのものでそれ以上を望んではなりません。(*^_^*)

 

映画評論家の町山智弘さんが「ワカンダは本来はこうあることもできたであろう、『理想のアフリカ』、パラレルワールドのどこかには本当に存在してるアフリカの理想の姿」と表現していました。

でも冗談じゃなく今世紀の末の方や来世紀ではうまくいったらアフリカ諸国をはじめ今「途上国」と言われている国々は先進諸国が無くしてしまった自国の自然環境とハイテクノロジーを両立させたワカンダになれているかもしれません。

戦うという事が、なくなったら。

戦いを仕掛ける何者か、それをやめたら。

 

この映画、世界中で大ヒットして、特にアフリカ系の人たち子供たちがたくさん見て、「こうあることもできるのではないか」と夢見て欲しい。

今も当然持っているだろうけれど、ますます自分たちの伝統に誇りを持って、守りながら発展してくことができると決意してほしい。

この映画で表現された魅力的な民族的カルチャーにますます誇りを持って、美しい命を輝かせてもらいたいなぁ、と。

 

そしてそれはすっかりガッタガタになっちゃった日本の私達にも言える事。

まだ間に合うと思う。

自国の文化に誇りを持ち、自分たちの人種の個性の美しさを大切にして、それでいて平和に発展していこうとすること。

21世紀なんだから、それが不可能だとはもう思わないで良い、と思いたい。

 

そんな希望を思わせてくれる王道の娯楽大作でした。

いやぁ~、観終わったら単純に私ももっと体鍛えよう、とかスキンヘッドにしちゃいたい、とか

日本の婦女子もこれからなぎなた復活させた方がいいんじゃないか、とか女戦士軍団の影響をうけまくってしまいました。