腰を打って寝たきりになったりして制作が遅れまくっているのに・
着物友達のSちゃんのお誘いでお出掛けしておりました。
目白の東京カテドラル関口教会という日本ではなかなか無い残響7秒という(音がよく響くってこと)チャペルがありまして、
えらく長いリンクになっちゃっているけど・世界のタンゲ・こと丹下健三の代表作だそうです。
そこでルネッサンス期のミサ曲をミサを再現して歌うというコンサート。
世間的にはかなりマイナーだけどわたし的には趣味のど真ん中。
古楽ボーカルグループの「カペラ」さんの20周年記念コンサートでした。
実はここのチャペルでのコンサートは、6月に自分で行く気満々でチケットを取った アントネッロ&ラ・ヴォーチェ・オルフィカという団体のコンサートで初陣のはずだったのが。
私は自分の制作が捗ってないからといって、チケット買っていたのに自分で行くのをやめたのですよ、今考えれば大馬鹿。
今回のコンサートは本来なら8月にするらしい「聖母昇天のミサ」を再現したというもので、全く無伴奏で男女混声8人?だったかな、で行われました。
この時代の歌声は一斉にハーモニーを作るのでなくそれぞれが微妙に絡み合いながら様々な旋律を歌うポリフォニーなので、8人の人間の絡み合う声がしみじみと豊かでした。
私はギリギリまで大人っぽい絽を着るつもりが羽織ってみたらまだ私には早い感じ(要するにオバサン渋めの着物)だったため、夏によく着ている麻の薄いオレンジの着物に羅(でいいのかな、透け透けの帯)に急遽変更。
着物友のSちゃんは健康上の都合でお洋服だったため、着物着てたのは多分私だけだったかも。
その日は東京の実家に泊まって、今日は朝から地元の公園でガッツリ太陽凝視。
実家から歩いて3分の大きな公園は東側に大きな建物が無いので、6時早々でも遮られずにお日様が見られる素晴しい環境。
早朝の太陽見まくりっ!
ちょっと他の人の人目が気になりますが、腕振りや足振りの運動をしているのでそこまで変な感じには見えなかった・と・思う・・・。
昨日と同じ着物を着て東京のお墓にお盆詣りをして、上野の西洋美術館で「アルチンボルド展」を鑑賞。
昔はアルチンボルドって「キワモノ系美術」の扱いだったんだけれど、今は寄せ集められたモチーフの意味性、アレゴリーに対して丁寧な解説がされるようになって再評価が高まっているご様子。
私は元々「モノがごちゃごちゃ集まって他のものに見える」系美術に弱くて学生時代からアルチンボルドは好きだったので感慨深い感じ。
リニューアルした国立西洋美術館に来たのはもしかしたら初めて、で、なんだか行けども行けども展示が終わらない広い美術館になっていてちょっと驚きました。
ヘトヘトになるまでアルチンボルドと常設展を楽しんで、どこかでビールでもひっかけよう、と上野公園をさまよい始めたら、「おいっ!おいっ!!」と呼び止める声。
作品を常設してもらってお世話になっているO県立美術館の名物館長先生でした。
なんでも都美館のボストン美術館名品展のレセプション帰り、とか。
お忙しい先生なので次の予定もぎっちり、駅の改札まで雑談しながらお見送り。
思うんだけどさ、私、着物を着ていたから先生に見つけてもらえたと思うのよね。
あのパンダの赤ちゃん人気とか深海生物の展覧会人気でごった返している上野公園のなかで。
美術館の中は作品保護のために特別に寒くなっているという事で「羽織るもののご用意を」と但し書きがあったりしたけれど、冷房に弱い私でも着物のおかげで快適。
お墓参りに花束と手桶を持って歩くのも、別に誰も観ていないけれど良い風景になっている感じで気分良し。
展覧会後にエキナカのカフェでちょろっと1人呑みするのも、着物ならなんとなく蓮っ葉な飲んだくれにならない。(注・個人の感想です)
腰のトラブルのおかげで浴衣ばっかり着ていたらますます着物を着るのがしっくりしてきて昨日も今日も着るのがとても速くなったし、
着ていて緊張するどころかリラックスして楽しくて、
あー、夏着物楽しい!と思う二日間でした。