せっかく着物を着られるんだから、台湾の画廊に居るときにとレクチャーは着物を着て,滞在中4日は着物にしてみました。

30℃以上の気温、台風も来ていたので、割り切って浴衣とポリエステルの絽、帯は麻の夏帯、下着は暑いだろうけれどポリの絽の長襦袢、でした。
一応浴衣、でなく長襦袢を着る夏着物姿で、足袋も履きました。
履き物は雨を想定して雨にも大丈夫な津軽塗りの高下駄。

肌着はユニクロのサラサラ下着とおパンツ、腰巻きやステテコは無視・外国だもんいいや、と。

体感の暑さとしてはまあ、外は日本の真夏でした。
暑いけどいつまでも外にいるわけでない。
大体がクーラーで冷え冷えな屋内にいるので着物は快適でした。

台北など都会を着物で歩いていても全然注目されないのがおもしろかったですね。
東京や日本の田舎のがジロジロ見られる。
台湾の友人いわく、「あ、外国の人なんだな、というだけなんじゃないかな」と。
確かにマレーシアあたりからなのか、イスラムのチャドルを着けた女性もたくさん歩いているし意外と馴染んでしまうのかも。
気楽でいられて嬉しいことでした。
台中の小さな町でもダウンタウンではちょっと「おや?」と見られたけれど、ホテルと大学内は全く平気。
もちろんキモノが日本の伝統服だというのはみんなわかるから、着物で居ると日本語で話かけてもらえたり、基本優しくしてもらえました。
(台湾は世界一とも言える親日国家ですからね。台湾以外では知りませんよ。)

レクチャーでも学生さん達にも先生方にも大好評で、ありがたいことでした。

一枚の長襦袢でなんとか4回着物を着ました。
とにかく汚れるのは衿なので、まず衿は少し色の入った半襟を着物ごとにコーディネートして2枚持っていき、安全ピンで付け替えました。
衿自体が汚れても細い布切れだからサッと手洗いできるだろう、と。
結局衿はそこまで汚れませんでした。

長襦袢で次に汚れてくるのは袖口。
これは3回着物を着たあたりで気になったので袖口だけ部分洗いして、バスタオルなどでよく水気を取ってバスルームに掛けておいたら無事に乾きました。
裾もその次に汚れて来ていたんですが、ギリギリ気にならないので無視。
全体的に汗臭い、となればランドリーなどで本格的に洗おうかと思いましたが大丈夫でした。

足袋は毎日の肌着のチョコチョコ手洗いと一緒に履いたら洗うようにしました。
足袋は微妙に乾かない時があったのでストックが心配にならないうちに。

着物以外の洋服でも感じたんですが、すぐに乾くということでポリエステルは本当に便利ですね。
正直着心地は自然素材には敵いませんが、サッと洗濯できて翌朝にはサラサラに乾いている、アイロンも要らない、というのはありがたくて見直しました。

今回展示の設営や撤収があったために洋装と和装と二種類持っていきました。
夏服だから洋装がかさばらなかったのがラッキーでしたが、冬は今回みたいにはいかないかも。

でも着物姿、ずいぶん台湾の皆さんに楽しんでいただけたみたいで、荷物を増やした甲斐はありました。



個展の会場でお客様と。



大学のレクチャーにて。
帯など見えないですが。