無事に、と言っても道のコンディションが悪かったらさぞ怖いだろうな、という林道を走ってもらって大元神社の参道入り口に着いた。
「初めての方は必ずご案内する」と運転手のHさんが言いきっておられるので、前回のセクハラ運転手の事が頭をよぎったけれど、お任せしてみることにした。
参道入り口から参道まではコンクリートが打ってあるけれどかなり細くて急な山道で、ここを一人で歩くのも結構心細い感じ。
だからっていって見ず知らずの男の人と2人、っていうのも微妙だよな、と考えていたら,なにやら人の気配が。
山登りコースの道から、元気の良い感じの初老の男性が現れた。
気さくに話かけてきて、なんとなく道連れになってくれる。

この後Hさんの先導で通常の参道でない旧参道に降りて行き、大元神社の昔のお水場やそこに生息しているサンショウウオの卵なんかを紹介して貰う。
サンショウウオっていうのも見たことないのにいきなり卵。
サンショウウオの卵は直径3cm位の透明のチューブのなかに丸い小さな卵が点々と浮かんでいた。
苔むした旧参道も昔のお水場もとても神々しい雰囲気が満ちている。

そこから上がって本参道に合流し、大元神社の拝殿と向かい合わせに建った大元八坂神社に着く。
道連れになってくれたおじさんは何度も来ているそうでちゃっちゃっとお参りしてさっさと自分のルートで帰って行かれた。

私はこの元気の良いおじさんに心から感謝した。
Hさんは使命感といえるほど親切に案内をしてくださっているのだけれど、前回のセクハラ運転手で気持ちが縮こまっていた私は全く2人ではやっぱり安心してお参り出来なかったと思う。
(詳しくは書かないけど言葉のセクハラでなくて手が出たのだよ。山の中でタクシーは脱輪していてその運転手と二人きり、ってどれだけ嫌だったかご推察ください。)
Hさんもだけれど、あのおじさんも神様の御使いに違いない。

大元神社も素晴らしいけれど、その向かいの大元八坂神社の御神気はさらに濃厚で、私の少ない体験の中では伊勢神宮外宮の月読神社とそっくりだった。
濃厚でびっちり満ちた御神気で、御神気を「お神酒を一杯やった感じ」で感じる私は「酒壺の中に投入された」感じ、つまり御神気浸け、という感覚を持った。

ご縁を頂いてお参りできたことに感謝して、そろそろと来た道を注意深く下って行き、宇佐神宮へ向かう。
Hさんがあんまり知られていないけれど「一生に1つだけ必ず願いを叶えてくれるお地蔵さま」があるので案内してくださるという。
神仏混仰時代に宇佐神宮付きのお寺だった弥勒寺というお寺の跡地が宇佐神宮境内横にあり、その弥勒寺跡地の裏、小さな天満宮と琴平宮のある道沿いにそのお地蔵様はいらした。
私は実は石仏、特に大きめのお地蔵さまが何か怖くて苦手なので、連れてきてもらわなければお参りしていなかったと思う。
またしてもHさんに感謝、感謝だ。
Hさんは他のレアな摂社も紹介したそうだったんだけど(笑)、そろそろ宇佐神宮の本殿にお参りしたい気分だったのでたくさん御礼を言ってお別れする。
本当 にありがとうございました、お名刺もただいたので次に大元神社に参拝するときは必ずHさんにお願い致します。(^-^)