意識は脳に局在しているか若しくは脳に遍在していると考えている人がほとんどだと思うが、『動的平衡』(福岡伸一、ロックフェラー大学客員教授、2017年、小学館新書)によれば思惟が脳があるのかどうかということさえ未だに実証されていないそうだ。脳死判定の根拠が薄れる話しだ。

 

 以下、同書の『第2章 汝とは「汝の食べた物である」――「消化」とは情報の解体』からの抜粋要約だが、人間も、遠い祖先であるミミズと同じチクワ構造だ。そして胃腸の中は食べ物にとってはまだ外である。食べ物は胃腸で分解されて吸収された時に、身体の中に入ったという事になる。ミミズは脳を持たないが考えて活動していて、神経ネットワークは消化管に沿って分布している。そして人間も消化管に沿って緻密な神経細胞が分布している。脳で情報伝達に関わる神経ペプチドが、消化管近傍にも大量に存在するが、それらが何を司っているかが分かっていない。「私たちはひょっとすると、この管で考えているのかもしれないのである」(同書78P)。「消化管は、私たちの皮膚が内側に入り込んだ中空の構造体であり、ちょうどチクワの穴のようなものなのである」(79P)。

 

 胃腸で食べ物を分解してから吸収し再合成するが、それだけではない。自己の細胞を分解し捨てる。「合成と分解との動的平衡を保つことによってのみ、生物は環境に適応するよう自分自身の状態を調節することができる」(80P)。

 

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 脳は、皮膚が、感覚情報を処理するために発達してきたという学説もあるが、それを裏付けるような内容だ。

 

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 上記の内容は意識に還元できる話しだ。たとえば、自己意識の形成と変容を、同じ枠組みに当てはめてみると、自己意識は他者意識や環境の規範を取り込んで分解・吸収・再合成するだけでなく、常に自己を分解し廃棄していて、これによって動的平衡、即ち自己同一性を”適応的に”維持している。

 

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 例によってテクノロジー犯罪の話しに還元すると、自己分解して廃棄すべき、自己意識の残滓が、聞こえている言葉の根源の一つだ。

 

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 話しは変わるが、身体と意識は明らかに同期する。身体が柔軟である事は発想の柔軟性を生む。身体を自在に操作できる感覚を身につけること(軽度であっても頻繁な運動、自重トレーニング)は、自己肯定感を生み出す。持久運動は、精神的なストレス耐性を強化する。これは身体と精神が同一性という生物原理に従って、互いに従属しようとするためだ。

 

 上記の話しに絡めると、合成と分解の促進は、よく運動しよく食べよく排便する、ということになる。

 

 

 加害は肛門・性器・皮膚が主で、排便と排尿を促したり、性欲を喚起する。初期の頃は大腸を鷲づかみにされて電流を流されて揺さぶられているような加害もあった。これらは総括して出力の欲求を刺激している。しかし、それは欲求ではなく生物的な反応を刺激している。それらの刺激は、意識においては、本来的には欲求であるべきなのだが、加害だと分かっているので、それらの刺激は不快であり嫌悪になる。

 

 意識において聞こえる言葉も同様だ。言葉は音とリズムでひきずり出されている。それらの言葉は前述した通り、不要な、精神の残滓であり、糞と同様だ。思考盗聴や言葉の送信を信じて、それらの言葉に反応し、語りかける事は、糞ツボを引っかき回しているようなものなのだ。引っかき回している内に、再び吸収されて、それらの糞に同期してしまうことになるのである。身体的加害も同様に音とリズムで引きずり出され、それに言葉も被害拡大に参加するようになる。入力も抑制される。行動意欲や食欲の減退、他者とのコミュニケーションが阻害されるのである。これらの入出力の欲求はドーパミン報酬系が関与するが、ドーパミンの分泌にpsychotronics weapon(精神工学兵器)は反応し、不快な事象を発生させ、ノルアドレナリン信号を増幅するのである。これは精神工学兵器が個別に事案に対応しているのか、それとも自動的にそうなるような状態にされているのかの問題があるのだが、観察の結果後者の方が有力だ。精神工学兵器が反応した、と考えられる事案は、1日に数回程度だ。つまり精神工学兵器の継続的な作用によって、脳の活動の一部が増幅するようになっている、ということだ。

 

 行動が抑制され軟禁状態になると、新たな情報、入力がないままで、糞ツボをかき回して、それが入力されてしまうようになるということだ。そして、この悪循環は加速してゆき、時間の経過とともに後戻りが困難になってくる。

 

 これがテクノロジー犯罪に用いられている精神工学兵器の単純化された構造だ。

 

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 運動(たとえばジョギングだが、ジョギング自体は平時にまして地獄になる。ただし、この地獄を自発的に味わう事に意義がある。ストレス耐性が強化される。)、他者とのコミュニケーション、新しい行動、外での活動、これらが被害を緩和することは分かっている。

 

 

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ホームページ『テクノロジー犯罪の記録と証拠』に加害の為の手続き作業を行っている人間の録音記録を掲載してあります。

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