神は実在しないが、ローマ法王が妄想障害だと指摘する人はいない。同様にキリスト教徒やユダヤ教徒やイスラム教徒等の熱心な信者や、天皇陛下を現人神だと考える人も、死ねば地獄や天国に行くと信じる人も、死後の世界があると考える人も、初詣でお金を賽銭箱に投じる人も、妄想障害だとは誰も指摘しない。この人類の妄想障害は治る気配がない。

 

 仮説的な生物システムの規範を外在化したのが宗教思想だが、それは生物システムの真実を顕してはいない。外在化した規範は、これまで道徳の維持や精神の安定に貢献してきたのだが、決定的な間違いは、死後の世界の実在と、神の実在だ。死後の世界は自己複製を繰り返す生物世界の誤解した解釈であり、神は生物にとって絶対的支配者である外部環境そのものの誤解した解釈だ。あるいは選民思想は、生物の徹底した利己性についての誤解した解釈だ。その誤解された解釈は、太古の昔に、聖人とされるADHD障害者が現実から乖離し、無意識と対話する事により現実世界にもたらされたのである。これらの宗教は道徳の一つとして考えれば害はないが、原理主義的に盲信すると、権威主義に陥り、排他的になる。また道徳規範の一つなのだから、金を払う必要など全く無い。合理的に許容できるのは墓場代くらいだ。

 

 神の実在の不思議さや神秘性は、自己の実在の不思議さや神秘性と同等だ。そもそもなぜ自己が存在するのかの理由、あるいは自己が実体として存在しているかどうかの証拠さえ得ることはできないのだから、その前提に立てば、世の中には不思議な事や神秘的な事が起こる事を否定する根拠も無い。我々は仮説的に世界に対して現実感を与え、便宜的に実在の感覚を得ているのである。

 

 生物システムの真実の規範、人間システムの真の因果関係を外在化することは、凶悪犯罪の減少と、多くの精神疾患に治療的効果を発揮するはずだが、宗教は真の因果関係を示してはいない。

 

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 人はなぜ犯罪を犯すのかの理由について、犯罪者は真の理由を知らない。たとえば、金の為、というのは表面的な問題に過ぎない。それはむしろ口実だ。罰と報酬の行動原理は真実ではない。かっとなって人を傷つけた、という感情的な理由も表面的な問題に過ぎない。川面を泳ぐ水鳥の上体しか見ていない。同様に、自分がなぜ悩み苦しむのかの、真の理由を苦悩者は知らない。悩んでいる、そのものの対象は表面的な問題に過ぎない。

 

 空き巣やスリの常習犯は、自分に、その習性があるという自己の規範(自己の因果関係)を知っているが何度も繰り返す。これは生物原理をよく表していて、その原理は複製、再現(reproduction)への強い欲求であり、トリガーは衝動性にある。意識主体は金の為、あるいは報酬の為だと錯覚しているのである。高じれば、意識主体が意図せず、無意識的な自動行動になっている可能性もある。意識主体は生物システムの指向性を報酬への欲求や感情で受け取るが、何度も再現される事により無意識的な自動行動になる。その行為を止められない常習犯は、高度な知能を持った原生動物に例えることができる。

 

 

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 生物システムの真の因果関係、人間システムの真の因果関係、に下記の本はかなり近付いているはずです。

 

 ※後から読み返すと、上記の文章は様々な矛盾を含んでいるのですが、真の因果関係がそれらを包括し、私はそれに近付いたということで矛盾は解決する、ということにしておきます。

 

 

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