今日の昼下がり、窓辺で枯葉がひらりはらりと舞い落ちるのを見ていたら、ふいに夫にこう話しかけられました。英語だったか日本語だったかは覚えていません(笑)
「ところでミーナ、ニューイングランドの旅についてはブログでもう全部書いたんだよね?」
あ、えっと、それは。。
あの旅行は明るくラマラマディンド~ン♪ とラマのお宿の記事を載せて、そのままになっていました(^^; 痛いところを突かれました。彼ったら、自分が忙しいからって私が長らく放置してあるものまで呼び起こさなくなってもいいのよ、なんて思った反面、まだあの続きには旅のハイライトが幾つも残っていたのを思い出しました。自分の記憶のためにも書かなくては~!
今日は前回の記事の流れを受けて、何の気負いもなく「ゼロから」始めます!思えばあの旅自体も全てが初めての土地での新たな経験でした。ラマのお宿を出て真っ先に向かったのが河べりに広がるメイン州の州都である美しい街、オーガスタでした。楽しみにしていたのはFort Westernという1754年に建てられた古い木造の砦とその敷地内にある1628年にイギリス人入植者が設けたという交易通商のための建物でした。
アメリカのイギリスからの独立が1776年ですからそれ以前の歴史ということで、
ここは国が定める歴史建造物として手厚く管理され、訪問者は当時の衣装を纏ったスタッフの方々が率いる案内ツアーに入って敷地内を周ります。
アメリカ最古の木造の砦というのはこちら。低く構えた二階建てで外から内部が見えない造りです。
ここにある大砲や銃は全て18世紀以前のものがそのまま残されています。
当時の人々の衣装はこんな感じだったのですね。
参加者の誰かが「この銃は火縄銃や~!」と感激されてましたが、、
私は隙間から見えるケネベック川のこの景色が気になってしょうがない...
芸術的な写真を撮ろうと必死でした。
この砦から繰り広げられていた戦いというのは北アメリカの植民地を巡ってイギリスがフランスと争う フレンチ・インディアン戦争の一部でした。そのように呼ばれたのはアメリカ先住民は最初にやって来たフランス軍に協力し、イギリスはこれら両者と戦ったからです。ヨーロッパでは七年戦争の北米戦線という位置づけでした。
アメリカがアメリカ合衆国になるまでの経緯はとても興味深いものがあります。
1750年代の植民地占領はこのように優勢だったフランス(青色)ですが、
(イギリスはピンク、スペインはオレンジ色)
1763年の講和条約において戦争で大敗したフランスはカナダとミシシッピ川より東をイギリス(ピンクと赤) に、西をスペイン(黄色とオレンジ) に譲渡して北アメリカ大陸から完全に撤退してしまいます。
フランスがもし戦争に勝っていたら今頃アメリカの公用語は英語とフランス語になっていたのかもしれません。ウィ!あ、でもフランス語は難しいからノン!(笑)それからこの戦争においてイギリスが占領したのはカナダを含んでいたので、カナダは現在に至るまでイギリス連邦国というわけです。また、イギリスとの戦費が大幅にかさんだ為にフランスは税金を上げざるを得ず、それが後のフランス革命の要因にも繋がっていくのですからこのアメリカでの植民地争いは他国の将来にまで影響を及ぼすものでした。
あ、いけない。歴史のことになると足が抜けなくなってしまう(いや書いてる手かな笑)のですが、お次に参りましょう。
敷地内にはこんな菜園があり、当時の軍人上官は当初、「兵士が畑で土いじりなどけしからん!」と言っていたけれど、食料危機が訪れた時にここで植えられていたジャガイモに救われてからは「食料はどんどん作ってよろし~」と考えを改めたのですって!
フレンチ・インディアン戦争よりも130年ほど前にはメイフラワー号に乗ってイギリスからプリマスに上陸した清教徒たちが北へ移動してこのオーガスタにも到達。この建物内では交易業務を取り行っていたのだそうです。
中に入ると当時の生活様式が窺えます。
天蓋ベッドに左の奥には糸つむぎ機もありますね。
そしてイギリスと言えばお茶の時間です。
なかなか素敵なティーセット♡
客間にはとても珍しいという竹の椅子がありました。
客人との歓談にもお茶が欠かせません。私はここでも古い陶器へ熱い視線を送っていました。
ここからは車でさらに南下して旅の前半でカモメと戯れたポートランを再度探訪。前回あいにく休館日だった美術館へ寄るためです。次回の旅模様はその辺りから続けることに。
あ、前にポートランドのホテルで何時間もカモメを連写し続けた例の「カモメ修行」が、ここオーガスタで役に立ちました!
車で州議会の前を走り抜けるわずかな間にカモメ撮影の要領で、建物が確認できる前に感覚を頼りにシャッターを切ったのがこの写真です。
ほぼ中央にブレずに撮れました
やはり、無駄になる経験は無し!(笑)
その記事をまだご覧になってない方、カモメがお好きな方はこちらへどうぞ。
今年の旅は今年中に記しておきたい気がしますが、来月はもう12月なんだそうで焦ります。睡眠は短いのになぜ一日がこんなに早く駆け抜けるのか不思議です。世界中の時計が一斉に早く動いているのかもしれません(笑)