先週、腸の内視鏡検査で先生や看護師さんにお腹の中を覗いてもらい、私が腹黒い人間ではないことを証明し、無事戻って来ました(笑)今回12年ぶりにポリープが見つかって切除してもらったので検査はやはり大切ですね。父のことがあるからなのか、私自身に以前ポリープが見つかったからなのか、はたまたその両方なのかは不明ですが、検査報告書の上の方に High Risk Colon Cancer Surveillance (大腸がんの高リスク観察)という肩書がついておりました💦 嬉しくないけどありがたいのかな。。
嬉しくないけどありがたいというのは生きていく上でけっこうあるような気がします。
「あ、お洋服裏返しに着てますよ~」と生徒さんに教えてもらったり「空港の水際対策は大変だったけど日本に無事入国」できたり、「アマゾンのお世話になりたくないけど必要なモノが迅速に到着したり」、「喉が渇いてない時に夫がお茶を淹れてくれたり」です
そして、その最たるものが「家を離れてボストンで新しい経験をする」‼︎ これもありがたいと思わなくては。うん、きっとそう、と暗示にかけよう(笑)
ボストン=極寒の冬、という図式が頭にのしかかるので引っ越し準備は冬服選びから始めました。いつもは開けないゲストルームのクロゼットに仕舞われたカリフォルニアでは一度も着たことのない厚手のセーターやロングコート。日本からまずシカゴへ行ったこともありますが、京都の冬もけっこう寒くなります。
初めて日本からアメリカに来た時に持参した30年物と夫が東京で仕事をしていた頃に購入した20年物の数々のお洋服はボストンで陽の目を浴びることになるのでしょうか??
何十年も防虫剤を欠かさず管理してきた旧人類、じゃなくて旧アイテム。湿気が少ないせいもあり、どれも虫がつかずに良い状態でした。虫がつくのは娘だけ!
一番持って行けそうと思ったのはこのディオールのコートでした。
クラシックなツイードのトレンチコートスタイル
さすがはディオール、日本では大学生の時から着ていたのに形崩れもなく、風合いも昔のままでした。
実はこのコートには深~い思い出が詰まっています。父が亡くなってから程近いある日、母が私をデパートに引っ張って行って、私には縁もゆかりもないプレタポルテの階でお洋服を見るようにと言うのです。
当時はDCブランドが全盛の頃で家庭教師をしたりして自分で買っていたのはイッセイミヤケ、Y's、ソニア·リキエル、MICHIKO LONDONとかだったんですよね。それなのにプレタポルテ、、心ときめくものは全く見つかりませんでした。
そしたら母が一番目立つところでマネキンが来ていた紫のコートを指さして「これにしましょう!」って言うんです。「え!?これ?」すごく綺麗なコートだとは思ったけれど。。
お値段をちらっと見てウギョ~
私が買っていた服のざっと10倍はする!
母は自分のお眼鏡に叶わないものは安くても買ってくれない人で、その時はその逆のようでした。母も身長があれば着たかったのかも。私にサイズはぴったりでした。
後から考えたら、父からこれと言って遺品がなかった私に何か残るものをと思ってくれたのかもしれません。アメリカに持って来た父の品物は大学のロッカーに入っていた折り畳みの置き傘だけでした。それって父はほとんど使っていなかった物かも。。
外目にはどこのコートか分からないので大学にも着て行ったのですがある日、椅子の後ろにコートをかけて授業を受けていたら後ろの席の友人が「え~!クリスチャン·ディオールなんか着てるの~!」とすごく驚き、以来、中に何を着ていても良い服だと勘違いしてもらえることになりました(笑)
トレンチコートはバーバリーでもかなり重い。裏地がしっかりしている上に色んな余分なデザインがあるからです。後ろ身頃にはもう一枚の布がついていたり肩にもアクセントデザインが。暖かいけど重くて肩や首が耐えられない。トレンチコートは元々軍人さん用ですもんね!若い時には体重も筋力も今よりあったので気にならなかったのです、きっと。
お次、20年前のカシミアのコートはどうでしょうか。
うーむ!首元だけと言えども今どき毛皮が着いてるなんてありえない
30代の世間知らずの私は気にせず買ってしまったようですが、動物愛護の観点から見て非常に申し訳ない。というわけで取り敢えず襟を外してみました。
ん~微妙ですなぁ。。
平凡過ぎでしょうか?
あっ、わが家のペット「メェメェーちゃん」がちらり!🐑
着てみてもやっぱりダメでした。形が古いのですよね。。肩パットが大きくてフットボール選手っぽい。却下~!
こちらはカシミアだからとても軽くて、仕立てや生地も抜群なんですけどね。
この後、毛皮の部分を自室に持って行って「ごめんね~」と謝りながらさすり続ける私。
この日はこれ以上は準備が進まず、毛皮君に話しかけて終わりました
数ヶ月前にドキュメンタリーを見てしまったんですよ。世界が誇るハイブランドを支えるために犠牲になっているのは動物だけではなくて労働者も搾取されていると。毛皮を加工する作業は薬品を何種類も使って危険な作業らしいです。でもそういうことを分かっていてきちんと運営している高級ブランドもあるようです。見えない世界でもきちんと倫理感を通すって大切だなって思います。
ちゃんとやってるところの一つ、こちらの袋もクローゼットで数年眠っていました。
ここのトートバッグは軽くてポピュラーですが、こちらはちょっとしたお出かけ用に。小ぶりで使い易いのです。
それでもカリフォルニア生活はカジュアルなのでこういうカチッとしたバックというのはかなり浮いてしまいます。記念日に出向いたホテルやレストランぐらいにしか使っていません。ボストンはお洒落なところが多そうだからこれは持って行こう!
外はブルーが基調で中が黄色になっています。それとなくウクライナ応援色です。世界や日本の時事問題についてもお話したいことがたくさんありますが、今は引っ越し準備に戻らねば。今から本の整理を始めます。次回は本の話題でも?いやお洋服の続きかな。
あっ!夫に今呼ばれて話を聞くと、「ボストンの家はクーラーが無いから着いた10日後ぐらいに涼しいところにでもしばらく旅行に出よう」ですって!ボストンは熱波でつい最近気温が37℃になっていて恐れをなしたようです。クーラーが無いの~!?💦 ボストンもロンドンのように今までは夏にそこまで暑くはならなかったのでしょうね。
じゃあ、避暑の小旅行もやっぱり、嬉しくないけどありがたい!?
私はいつになったら落ち着けるのでしょうか。。
暑がりな夫と寒がりミーナの冒険はこれからも続きます。