いつきのブログ

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ついったーでは書ききれない事の補足的な文書ログ。
偶に旅行日誌になったりします。

アイコンは推し絵画の聖チェチリア(カルロ・ドルチ画)です。

2026.4.19 MOVIX清水

パリに咲くエトワール ティーチインイベント行ってきました!

 

初めてこの映画を観たのは公開からしばらく経った3月の終わり。素晴らしい映画だったのでもう1回は観に行きたいなあと思いつつなかなか時間が取れなくて、やっと観られたのが今月中旬でした。ところが2回目にして初回より感動してそこからどハマり。また観に行きたい!でも上映回数減ってきて難しいなあと悩んでいたら、Xの公式ポストに監督のティーチインの情報が!!しかも日曜日に静岡!……というのを前日に気づき、急いで映画のチケットと旅程の段取りを決めました。本当にラッキー!(ちなみに地元でもとっくにティーチインやっていたのを後で知って後悔)

 

何を聞こうか考えながら電車を乗り継ぎ現場へ。せっかくなので袴スタイルという若干の概念コーデで挑みました。

残念ながら満席……ではありませんでしたが子供連れもいたのでファミリー層にちゃんと届いているなあと嬉しかったです。

 

 

 

 

 

 

 

登壇されたのは谷口悟朗監督(以下監督)と湯川淳プロデューサー(以下P)。

実は「ティーチイン」なるものをよく知らなくて舞台挨拶とかトークショーがあるのかと思いきや、登場して早速質問コーナーに入ったのでちょっと戸惑いました(心の準備が…)

 

 

 

 

※イベント中の写真撮影はOKでした

 

以下は質問と回答のまとめです。走り書きでメモしてましたが、聞き間違い記憶違い、いくつか意訳してる箇所もありますのでその辺はご了承ください。

 

 

 

Q.妖精が飛ぶ時に出ている蝶の鱗粉のようなものや、部屋のホコリ、雲母摺りなどキラキラした光が別個のシーンで出てくるがそれぞれつながっているものか?

 

監督━━つながってない、それぞれ別の事象。

ホコリのキラキラは室内であるという説明と、素敵な何かの兆し。

映像が全ての答え。受け手それぞれの感想が正解。(今やってる某映画になぞらえて)真実はその人の心の中。

 

最初から、ファンの考察について監督のスタンスがわかる質問でした。Pからも、解釈の方法は過去の論文などいろいろなところからできる、というようなお言葉もありました。

 

 

 

Q.アンヌについて。図書館で千鶴に資料を渡すが、彼女の過去を理解しての行動か、またオルガとの関係は?

 

監督━━千鶴は過去の演目や文化的なものを知らないからそれを調べている。アンヌはその事を察している。

オルガとはロシア貴族のパーティで接点があったのかもしれない(歴史的にバレリーナが呼ばれていたようです)

 

オルガとジャンヌの関係について、答える前に監督はこの前資料を渡したとPに言ったのですが「もらった?」「渡したよ」というやりとりがありました。

そして後日、公式Xよりこの2人の関わりについてポストがありました。このことだったんですね(笑)↓

 

 

 

 

ちなみにこの質問された方28回見たそうです。尊敬!!

 

 

 

Q.主人公を女の子二人にした理由?以前のティーチインで聞いたことだがもっと深く聞きたい。

主人公が女なので脚本を吉田さんにしたと思われるが、女主人公はハードルが高かった?

 

監督━━テーマに肉薄するため。男だと他人を押しのけていく話になるので書きにくい。

ハードルが高いとは思っていない。そこは無理してない。

 

P━━男の子と女の子の夢の違いはある。吉田さんの意見を聞きたかった。

吉田さんに決める前から女の子主人公は決まっていた(ので、ハードルの高さを感じて吉田さんに脚本を依頼したわけではない)。

 

監督━━老若男女関係なく観られるものを作りたかった。

男主人公だと、他人を押しのけるのが(ストーリーに)邪魔になる。酒タバコ暴力が入ってくるのでファミリー向けにできない。それなら自分が監督する必要がない。

 

P━━R15ならできるが、ファミリーで楽しめるものをというオーダーをしたからこうなっている。

バレエという要素に女性や華やかさのイメージがある。作家的ではなくプロデュース的なアプローチ。

 

 

 

Q.アミアンの絵画について。あの絵は戦場を描いているが、実際に戦場を見ているのか?

 

監督━━それを言っちゃうと粋じゃなくなる。

実際見ているのか、報道で知ったものなのか。客の中の解釈におまかせ。

 

 

 

Q.3人の洋服のこだわりを教えてほしい

 

監督━━

ルスラン→当時の労働者階級の服装からスタートして考えた。オーダーメイドではない、中古。

フジコ・千鶴→服の色で置かれている状態がわかるようになっている。

千鶴はパリに溶け込んでいっている。

 

これは自分も聞きたかった質問なので聞けてよかったです。劇中バリエーションが豊富だけどフジコは途中から暗めの色になるし。千鶴も最初の方はあまり洋服似合ってないなあと個人的に感じてました。それが後半はしっくりきてて。そこも狙って描き分けられてるとしたアニメーターさんの技量すごいです。

 

 

 

Q.漫画版から。小物入れ(ジャムジャー)は蚤の市で買ったと言っているが、ダイヤの原石も同じ蚤の市で買ったもの?叔父さんは本物と分かって買った?

 

監督━━漫画版に関しては漫画家の自由判断で書いてもらっている。聞かれたら答えるが、基本的に漫画家の解釈。

本物と分かっていたかについては、叔父さんの中では本物。

 

 

 

Q.フジコが歌ってジャンヌに「下手ねえ」と言われるシーン。下手には聞こえないがジャンヌには下手に聞こえたのか。

 

監督―日本とヨーロッパでは音楽の組み方が違う。この頃はシャンソンが流行っていた。音楽の違いで下手に聞こえた。

また、フジコは(日本の歌というものを)伝えるために歌っているので、声を張り上げている。歌に情感がないので下手に聞こえた。

 

アニメのアフレコで、歌のシーンは

・先に歌を録る

・アフレコしながら歌も録る

2種類の方法がある。アフレコしながらだと感情が歌に残る。セリフと歌と同じ録音機材で録っているので、シーンのその場で歌っているようになる。

 

(當真あみさんの演技)上手く歌おうとしていない、というところが上手かった。

下手な役者さんだと上手く歌おうとしてその役にならなくなる。

 

自分も下手とは思わなかったけど、後日映画行った時に聞いたらたしかに感情を込めて歌うのではなく歌自体を教えるような歌い方に聞こえました。さすがの演技力です。

 

 

 

Qフジコにとってあの妖精はどういった存在なのか?

 

監督━━映画に答えがあるので、また観て下さい。

妖精のデザインは、当時の本からなどで知り得た情報などを元にして近藤勝也さん(キャラクター原案)に手がけてもらってる。(フジコが想像できたであろう造形になっている)

 

 

 

Q.フジコのバイトは生活できるくらい稼げていたのか?

 

監督━━当時は労働基準法なんてなかったから長時間労働は当たり前。それくらい働いてカツカツくらいだった。

 

 

 

Q.洋服は日本から持ってきたのかパリで買ったのか?

 

監督━━持ってきたものも買ったものもある。

 

ジャンヌたちの薙刀は現地で設えたものだが、日本の薙刀の作り方ではないので、(柄と刃先の部分)別々のパーツを作ってくっつけている。なのでよく見ると継ぎ目が見える。

 

 

 

Q.入れたかったけど泣く泣くカットしたシーンは?

 

監督━━編集でカットするシーンというのは、コンテや編集段階で作り手が納得する為のシーンだったりする。「ダレ間」という。ダレ間は作り手の納得の為なのでなくても成立する。泣く泣くカットしたシーンはない。

 

この映画の素晴らしいと思うのは、シーンに過不足ないなあと感じているところです。無駄なシーンはないし、描写してない部分はなくても伝わるというか入れると逆に余分に感じるのではないか…と思うのです。だからダレ間は完全に削除し、泣く泣くカットしたシーンもないというは本当にそうなのだろうと思います。

 

 

 

Q.設定資料集を出して欲しい

 

P━━興行収入があれば。

監督━━自分や緑黄色社会は愛知県出身なのにそちらであまり集客がなかった。愛知が駄目なら静岡で、ということでここに来た。(この日お知り合いが来られてたようです)

静岡県はリサーチでデータを取るのに適した場所だと言われる。

 

監督━━2025年頃まではオリジナルアニメは全体の30%くらいだった。今は10%切るかどうか。このままだとオリジナルアニメは無くなるのではないか。

原作ものやオリジナルなど色んな作品多様性がないといけない。若い世代がこういう作品を作れるようにしたい思いがある。

 

 

 

 劇中の台詞を確認することがあるかもしれない、と脚本を持ってきていて実物を見せてくれました。上下2冊。赤と黒の色違いなのはどっちかわかりやすくするためだそうです。

 

監督のアニメ製作にたいするこれからの想いが最後に伝わりました。

本当にとてもいい機会をいただけました。ありがとうございました!