既にご承知の通り、1月1日元旦の夕方、能登半島地震発生から1週間が過ぎました。
この地震は規模もさることながら、地殻変動の点でも大きなものである事が改めて分かってきました。
1月5日14時22分に産経新聞 THE SANKEI NEWSが「能登半島地震 海岸線が250メートル移動、広い範囲で3メートル超の隆起」の題で「能登半島地震」の特集・連載項目にて、次のように伝えました。
『(前略)
1日に発生した能登半島地震で、石川県輪島市の漁港付近の広い範囲で3メートルを超える隆起があったと推定されるほか、隆起に伴って海岸線が海側に約250メートル前進したことが分かった。東京大地震研究所などが現地調査の結果を公表した。
地震研や岡山大などの研究チームは、地震発生翌日の2日から震源域の南西部にあたる能登半島北部の海岸地形を調査。調査範囲の中で最も顕著な隆起がみられたのは鹿磯(かいそ)漁港(輪島市)で、約3・9メートルの隆起があったと推定されるという。この漁港付近の海岸線沿い約4キロにわたって、複数地点で3メートルを超える隆起が確認されたとしている。
また、同漁港近くの砂浜で隆起に伴って約250メートルの海岸線の前進が確認されたという。
一方、赤崎漁港(志賀町)では隆起が約0.25メートルにとどまったものの、港湾施設への津波被害が確認された。倉庫の外壁に残された痕跡から津波の高さは約4・2メートルと推定されるという。
海岸隆起が大きい地点では顕著な津波被害は確認されず、逆に隆起が小さい地点では被害が確認されたとしている。
(以下略)』
また、1月6日08時36分に同メディアが同特集・連載項目にて、「能登半島北西部の沿岸で陸化確認 150~200m移動 隆起で津波観測が不可能な地点も」の題で次のように伝えました。
『(前略)
1日に発生した能登半島地震による地殻変動について、地球観測衛星「だいち2号」の観測データを解析したところ、能登半島北西部の沿岸域の広い範囲で、隆起に伴って陸化した地域があることが分かった。国土地理院(茨城県つくば市)が発表した。隆起により、津波の観測が不可能になっている地点があることも明らかになった。
輪島市皆月(みなづき)湾では約4メートルの隆起が検出され、海岸線が海側に約200メートル移動したことがわかった。皆月湾から25キロほど北東の名舟(なふね)漁港付近では、約150メートルの移動が観測された。地震前に見られた浅瀬が陸化したとみられるという。
地盤隆起は、津波観測にも影響を及ぼしている。気象庁の津波観測地点「珠洲市長橋」は、地震直後の1日午後4時10分ころから観測データが得られなくなっている。国土地理院が撮影した空中写真から隆起によるとみられる海底の露出が確認され、観測不能となっていたことがわかった。同庁が5日発表した。
(以下略)』
地震の規模M7.6、深度10kmにて今回発生した能登半島地震は、広範囲な隆起を引き起こした地殻変動をもたらしている事が分かります。
能登半島を中心に各地で地滑りや地割れ、土砂災害等をもたらした地震の強いエネルギーが改めて認識出来ます。
このような中、一部のマスコミ等が「自衛隊等の投入人員が少ない」「初動が遅い」など、実情を理解しておらず訳の分からない批判をしていますが、それについて防衛省・自衛隊が公開した、1月5日の木原防衛大臣臨時記者会見にて、木原大臣が次のように反論しました。
『(前略)
恐らく今おっしゃったのは、逐次投入のような批判ではないかと思いますが、それには全く当たらないと我々考えておりまして、10,000名の態勢は、もちろんこれは交代要員も含みますけれども、それはいつでも派遣できる態勢は整っているということであります。
Q:仮に初動で5,000人くらい投入した場合は、受入れ態勢が整っていなかったり、インフラの状況がという、それは適切ではなかったということ。
A:受入れというよりもですね、インフラが整ってないので、当然車両では移動できませんので、ヘリ、航空機というのは搭載できる人数というのは極めて限定的であります。ですので、物理的にそれは難しいという状況です。
(以下略)』
被災地はインフラ等が破壊されているので、自己完結型の組織でなければ救助・救援活動がすぐに尻つぼみになってしまいます。
このような基本中の基本すら分からずに批判するのは、誹謗中傷そのものです!!
能登半島地震は大規模な被害と規模、正しい言動が大切!!
1月4日、国土地理院が公開した「だいち2」による能登半島地震後の地形変化解析結果