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| 英語教室やインターナショナルスクールに子供を通わせっぱなしで、家庭で特に何もやっていない親御さんに多いのですが、つい子供に向かって「英語の勉強をしなさい!」と言ってしまうことがあります。 ですが、この「勉強をしなさい!」という言葉は、子供の学力を上げることにはならないようです。 百マス計算で有名な陰山英男先生の著書の中に、東大と京大出身の先生達との話が載っていたのですが、驚いたことに、エリート校を卒業した先生達は、子供の頃に「勉強しなさい!」とは一言も言われなかったそうです。 「英語を勉強しなさい!」という言葉で子供を縛ってしまうと、子供はやる気をそがれ、親の視野も狭くなり、親自身、子供が机に向かっていれば英語力がつくと勘違いしてしまいます。 私の息子も小学校に通うようになってから、妻によく「勉強しなさい」と怒られていた時期がありました。何度言っても息子は宿題をやろうとせず、どんどん勉強嫌いになっていくようでした。 そこで、妻と話し合い、息子に対して「勉強しなさい!」と言って宿題や勉強を強制することをやめることにしました。その代わり、『賢くなるパズル 』宮本哲也著などをさりげなくテーブルの上などに置いておくようにしたのです。 するとどうでしょう、あれだけ勉強を嫌がっていた息子が、自分からそのパズルの本を開き、宿題だったらほんの10分でも集中することができなかったのに、何十分でも「あーでもない、こーでもない」と言いながらそのパズルに取り組むようになったのです。 さらに、100円ショップで買った百マス計算ドリルを置いておいたら、「時間を計って」と言って、どんどん記録を塗り替えながら、百マス計算をするようになったのです。 無試験先着順の入塾にもかかわらず、首都圏最難関中学80%以上の進学率をほこる宮本算数教室を主催し、『賢くなるパズルシリーズ 』の著者である宮本さんは、そのパズルの導入部にこう書いています。 「(このパズルの)目的は答えを出すことではありません。楽しみつつも苦しみ、苦しみつつも楽しむ。その結果、「賢くなること」にあります。賢い子供は生まれつき賢いわけではなく、面白がっていろいろなことに頭を使っているうちに賢くなるのです。そのために保護者の方にひとつだけお願いがあります。「絶対に子供に教えないでください!」。子供達は大人が思っている以上にタフです。いったんは投げ出しても、そのままお蔵入りにせず、お子さんの目のつくところに置いておいてください。気が向いたときに再挑戦すると、1週間前には手も足も出なかったパズルがすらすらと解けることがあります。このとき、お子さんは大きな自信を得ます。これが『生きる力』です。」 この話を読むと、冒頭のエリート大学に入学した先生たちが、親から「勉強しなさい!」と言われたことがなくても賢くなったのもうなづけます。 事実、英語は「勉強」ではありません。 私達は、母国語である日本語を「勉強して」身につけてきたのでしょうか? 決してそんなことはありませんね。言葉は「勉強」で身につくのではなく、「体験・コミュニケーション」を通して身につくのです。一緒に英語ゲームをして遊んだり、英語でクラフトを作ってみたり、海外に一緒に旅行したり、英語の歌を一緒に歌ったり、そのようなことを通して、英語を「コミュニケーションの道具」として身につけていくのです。 子供をバイリンガルにするときは、親が監視者になり「英語を勉強しなさい!」と言うのではなく、親が共同作業者になり、子供が楽しく英語に取り組め、自然に英語に触れる環境を作ってやることのほうがはるかに大切なのです。 ぜひ「英語の勉強をしなさい!」と言いたくなったら、「勉強しなさいと言わない方が力が伸びる」という事実を思い出し、その気持ちをグッと抑えて、子供のやる気を引き出して上げていきましょう。 |
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