◇よく耳にする「酸化」と「還元」その仕組みとは?
すべての物質はいくつかの原子が結合することで成り立っており、その原子は真ん中に原子核を持っています。原子核は陽子と中性子からできており、一番外側を電子が回っていて、これがその原子の性質を決定しているのです(図)。原子は中心の陽子数と電子数が同数で安定しています。しかし、電子はものすごいスピードで動いていて、とても不安定です。
電子が1個でも飛び出した状態(これを酸化と言います)では、電気的にはプラスに帯電しています。これがプラスイオン(陽イオン)です。逆に、電子を受け取って(還元と言います)1個でも電子が多い状態、つまり電気的にはマイナスに帯電しているイオンをマイナスイオン(陰イオン)と言います。
たとえばマイナスイオンが出るエアコン、これは空気が電極で放電している間を通過することにより電子を帯電しマイナスイオンとなり、空間に浮かんで(エアゾル)マイナスイオン効果を発揮しているのです。
◇食べ物はなぜ腐るの? 釘はなぜ錆(さ)びるの?
現代の病気のほとんどには活性酸素(酸素が化学的に活性化したもので、非常に不安定で強い酸化力を持つ)による酸化障害からくる細胞個体の機能停止、循環障害が影響しています。活性酸素は強力な「酸化剤」で細胞を酸化します。酸化・還元というと非常に難しく考えがちですが、食べ物なら放置しておくと腐りますし、釘なら錆びます。これが実生活で経験している酸化です。
それでは電子をずっと与え続けたらどうなるでしょう? 理論的には食べ物は腐らないし、釘も錆びません。人間のからだの中も同じように酸化されています。そこでマイナスイオンから余分な電子を受け取り自身が還元されれば、酸化障害を回避することができます。これがマイナスイオンの効果なのです。
◇日常的に取り入れたい自然発生するマイナスイオン
マイナスイオン療法には自然を使う方法と、マイナスイオン発生器を使う方法があります。
人間のからだには、活性酸素の酸化障害から自身を守るために活性酸素消去剤(SOD)が存在します。SODは20代までは盛んに生産されますが、年齢を追うごとに量は減り、40代には半分、60代にはさらにその半分となります。
ビタミンEやC、これらも細胞レベルで電子の受け渡し、酸化障害を還元しているのです。マイナスイオンはこれらビタミンと同様に酸化障害を還元します。「空気のビタミン」と呼ばれる理由はここにあります。そのため、マイナスイオンにさらすことによりからだを酸化障害から守ることが可能になるのです。
出典:ヤフーヘルスケアコラム