かぜを起こすウイルスに直接効く薬はないと考えてよいでしょう。ですから、かぜをひいてしまったら、安静、保温、栄養の3原則を守ってなるべく早く治るよう心がけることがもっともよい対応といえます。安静は、なにも一日中じっと床の中に入っている必要はなく、居間でくつろいで、好きなテレビ番組を見たり、軽い読みものを読んでもかまいません。

冬なら、部屋全体を適温に保つ工夫が大切で、寒い部屋の中で手足だけをこたつで暖めている状況は好ましくありません。汗が出て下着が湿っぽく感じられるときには、暖かいところで、肌着を取り換えることも必要です。そうしないと、肌着にしみ込んだ汗が蒸発するときに熱を奪い、からだが冷えてよくありません。

食事内容は、栄養価の高いものにこしたことはありませんが、かぜのときにはたいてい、胃や腸のはたらきも鈍っていますので、何も無理して多く食べる必要はありません。食欲と嗜好[しこう]に応じて、栄養のバランスを考え、3食をきちんと食べればよいでしょう。ただ、発汗のため、からだの中の水分が不足がちになるので水分を十分にとるよう心がけることが大事です。ビタミンなども期待できる果汁や緑茶などはこの目的にかなった飲み物といえます。

出典:ここカラダ 病気事典