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OECD PISAとは15歳の生徒を対象にした国際的な学習到達度調査である。この講演では、韓国とフィンランドの教育システムが持ち上げられ、ルクセンブルクがdisられている。ルクセンブルクの少人数学級は、通う子供にとって楽しいが、学習時間が短く、学習到達度は低い。韓国は多人数学級だが、学習時間が長く、教員養成にお金をかけているので優れているとされる。ポーランドが教育の平等性を高める事により教育達成度を高めた、と評価されている。
本当に韓国、フィンランド、ポーランドの教育システムが素晴らしく、ルクセンブルクはだめなのか? TED講演が主張するように学習到達度を高めればよい生活ができるようになるのか?
[図表1]

図表1の左の表は一人当たりGDP(GDP/C)の上位ランキングである。図表1の右のグラフはPISAとGDP/Cの相関である。一人当たりGDPはその国の一人当たりの年収、豊かさを表すと考えられる。カタールとルクセンブルクはPISAが低く、GDP/Cが突出して高い。以下、GDP/Cが高い国はシンガポール、ノルウェイ、香港、アメリカと続くが、これらGDP/Cの最上位国においてPISAとGDP/Cは全く相関がない。GDP/Cの最上位国は資源国や金融で儲けている国である。
[図表2]

図表2は、図表1の国々から資源国とルクセンブルクを除いたものである。図表1ではカタールとルクセンブルクの突出振りのために良く見えなかったが、図表2では次のような相関が見える。
(1)シンガポール、香港、オランダ、スイス、アメリカなどはPISAとGDP/Cに正の相関(赤矢印)がある。
(2)韓国、フィンランド、日本、ニュージーランド、ポーランドなどはPISAとGDP/Cに正の相関(青矢印)があるが、上記(1)の国に較べて傾きが小さく、PISAが高いわりにGDP/Cが低い。
以下、考察およびTED講演の感想。
教育の目的は豊かになるためだと思うが、資源があれば学力が低くても豊かな国になる。ルクセンブルクのように税制や金融でうまくやれば、学力が低くても豊かな国になる。
資源国とルクセンブルクを例外として除いた、上記(1)の国は金融や貿易で儲けている。このグループではPISAとGDP/Cに正の相関があって、学力が高ければ豊かになっている。
上記(2)の韓国、フィンランド、日本はPISAが高いわりにGDP/Cが低い。韓国と日本は自殺率が高い。フィンランドは過去に自殺率が高かった。これら三ヶ国は自殺しやすい文化があって、必ずしも幸福な国と思えない。日本が、韓国やフィンランドを見習って学力向上に注力しても、PISAとGDP/Cの正の相関の低い傾きのごとく、あまり豊かにならず幸福にもならないのではないか。
日本が、香港やシンガポールのような(PISAに比例する?)豊かさを実現するなら、金融立国化が必要と思う。ただ、豊かさは必ずしも幸せを意味しない。フィリピンは貧しいが自殺率が低く、僕には日本より幸福度が高く思える。
ルクセンブルクは十分豊かで幸せな国だから焦って勉強する必要がないのでは。少人数で楽しい学級でいいと思う。
TED講演で豊かなルクセンブルクがdisられ、今ひとつの韓国、フィンランド、日本、ポーランドが持ち上げれている。TED講演での各国の評価に違和感を感じた。