ヒノキをはじめとする岡山県産木材の輸出額が2023年は3億4221万
円にとどまり、前年(6億6672万円)より5割近く減少したことが岡
山県のまとめで分かった。近年は世界的な木材不足で需要が急騰する
「ウッドショック}を背景に右肩上がりで増加していたが、主要な輸
出先の韓国、中国の不動産不況で一転した。アジア各国への売り込み
に力を注いできた県や県内木材業界へのダメージは少なくなく、局面
打開に向けては戦略の見直しや施策の強化が求められそうです。
(この記事は【8月28日の山陽新聞社会面】からの紹介記事でした)
岡山県はヒノキの丸太生産量が全国トップクラスで、輸出の大半をヒ
ノキが占めます。23年の輸出額を国・地域別に見ると、全体の約7割
を占める韓国が2億5631万円と前年の4億7337万円から45・9%減少。
台湾は4765万円(前年7832万円)で39・2%、中国は3824万円(1億
1272万円)で66・1%も減りました。
そもそも県がアジア各国をターゲットに販路拡大に取り組むのは、人口
減少の加速で国内需要の拡大が見通せないことが背景にある。県は12年
度から県木材組合連合会(岡山市)と連携して海外の展示会に出展する
事業者への経費補助を行うなどし、当初2億円を下回っていた輸出額は順
調に増加。21年以降はウッドショックや円安の影響もあって6億円を突破
していた。しかし、23年は韓国や中国の不動産不況が直撃。現地の住宅需
要が冷え込んだことで輸出が急減した。
県内有数の木材輸出量を誇る江与味製材(美咲町江与味)は取扱量の約3分
の1を輸出に充てており、23年は輸出額が前年から3割以上減ったといいま
す。難波高明社長は「この状態では経営への影響はさけられない。」と話し
ます。(以下略)