公益財団法人大原芸術財団(倉敷市中央)は、倉敷市美観地区にあ

 

る大原家旧別邸・有隣荘(倉敷市中央)で、約30年ぶりの大規模改

 

修工事を行っています。老朽化した雨どいや壁、畳などの部材を交

 

換。美観地区を象徴する伝統建築の姿を往時のまま引き継ぎます。

 

作業は8月末まで続く見込みです。

(この記事は7月15日の【山陽新聞・全県版】の紹介記事です)

 

有隣荘は1928(昭和3)年、実業家の大原孫三郎(1880~1943年)

 

が家族の静養のため建てた和洋中折衷の邸宅。普段は公開されていな

 

いが、黄緑色の屋根瓦から「緑御殿」の愛称で親しまれている。

 

改修の主な目的は、経年劣化で穴が開き雨漏りが深刻な雨どいの交換。

 

銅製の年代もので、現在は作っている業者がいないため、工事を請け

 

負う藤木工務店倉敷支店(倉敷市鶴形)を通じて特注で代替品を仕立

 

て、邸宅全体のとい(総延長100㍍余り)を取り替える。

 

改修では1階の和室など20畳余りの畳を更新。雨漏りしている玄関は

 

屋根を補修するほか、しっくいの内壁も塗りなおす。

 

有隣荘は、畳の交換など随時メンテナンスをしてきたが、各所の傷み

 

が進んだのを受け、抜本的な対応が必要と判断。雨どい交換のため、

 

5月下旬から足場を組んで作業を進めている。

 

大規模工事は瓦の葺き替えなどを行った1992年以来で、財団は「美観

 

地区の町並みを引き立てる施設の一つ。外観が変化しないよう、細心の

 

注意を払って作業を進め、伝統的な景観を守りたい」としています。