明治から昭和にかけ、イグサの一大産地として知られた岡山県南部。

 

栽培が盛んだった倉敷市西阿知町、茶屋町地区に残る加工メーカー

 

が、産地の伝統をつないでいます。

 

今吉商店(倉敷市西阿知町)は創業127年の老舗の一つ。主力の花ご

 

ざ以外の品目開発に力を入れ、現在はランチョンマット、マウスパッ

 

ドなど計約40種類の雑貨を生産、販売している。

(この記事は5月16日の【山陽新聞・備中地域版】からの御紹介です)

 

「手に取ってもらえるよう、時代に合わせて商品を考案している」と今

 

吉敏文代表。美観地区の土産物店や東京、大阪の催事で人気という。

 

だが、生活様式の洋風化で地域の栽培は大幅に縮小。市内の加工メーカ

 

ーも数社にまで減った。

 

産地の灯を守ろうーと、今吉商店は2008年からイグサ栽培を開始。原材

 

料確保から製造まで「倉敷産}にこだわった一貫生産体制を構築した。

 

須波亨商店(倉敷市茶屋町早沖)は14年から、かばん「いかご」の生産を

 

スタート。イグサで編んだ直径数㍉の縄を、須浪隆貴代表が昔ながらの織

 

機などで仕上げています。

 

「イ草と言えば倉敷と、再び胸を張れるよう技術を継承していく」と話す

 

両氏です。産地再編を目指し、若手経営者たちの挑戦が続きます。