現代技術をもってしても再現できない焼き物があります。古代噴火

 

時代に朝鮮から日本に伝わり、岡山県内では瀬戸内市、備前市の両

 

市にまたがる地域で作られ、備前焼のルーツとされる須恵器。その

 

創作プロジェクトが1400年の時を超え、地元陶芸家たちによって進

 

められています。

(この記事は5月16日の【山陽新聞・備前地域版】からの紹介です)

 

備前焼作家の末廣学さん、三浦雅人さん、三浦裕二さん、信楽焼の松

 

川広巳さんの4人です。一大産地だった寒風(さぶかぜ)古窯跡群(瀬

 

戸内市牛窓町長浜、国史跡)がある寒風地区を舞台に当時の製法で挑み

 

ます。出土品を展示する寒風陶芸会館(同所)の運営法人が2016~18

 

年に取り組んだ須恵器作りに全員参加し、ノウハウを継承しました。

 

グレーの器肌に澄んだ緑の自然釉が流れる美しさを生かし「寒風須恵器」

 

として古代の甕(かめ)やすずりのほか、急須や湯飲み、平皿、マグカッ

 

プといった日常使いの器を手がける。

 

今年は会館で作品展(6月16日まで)が実現し、市のふるさと納税の返礼

 

品にも採用され、新たな特産品としての注目も集まる。

 

往時の寒風の須恵器が持つ白っぽい肌やエメラルドのような緑釉(りょく

 

ゆう)にはまだ及ばないが,近つ”いてはいるという。「どこか無機質な風

 

合いは今の生活空間にもマッチするところがある。成功までの過程を楽し

 

みながら、さらに魅力的な陶器へと昇華させていきたい」。4人の思いに

 

迷いはない。