岡山県南東部を東西に貫く県道「岡山ブルーライン」(岡山市東区
君津―備前市日生町寒河)で9日、1歳の女児が亡くなる交通事故が
起きた。2月には2人が犠牲になり、重大事故が相次ぐ。瀬戸内海沿
岸の観光地を結ぶ幹線道だが、中央分離帯がなく、人身事故の約4分
の1を正面衝突が占めるデータもある。ゴールデンウィーク期間中は
交通量の増加が見込まれ、県警は事故抑止に懸命だ。ドライバーの側
も安全運転意識の一層の徹底が求められます。
(この記事は4月26日の【山陽新聞・全県版】からの御紹介記事です)
4月25日、ブルーライン沿いの3カ所で、岡山県警が編成した緊急対策
隊が啓発活動を展開しました。道の駅・一本松展望園(瀬戸内市邑久町
尻海)では瀬戸内署員がドライバーに声をかけ、安全運転を訴えるチラ
シなどを手渡しました。
業務で週に一度は通るトラック運転手藤原利行さん(岡山市)は「カー
ブが多く荷物があるときは車線をはみ出しそうになる。休憩を取りなが
ら平常心での運転を心が毛たい」と話しました。
先月9日の事故は岡山市東区西大寺浜で発生。軽乗用車とワゴン車計3台
が絡み、1歳の女児が死亡したほか、3人が重傷を負った。2月に瀬戸内市
邑久町虫明で起きた事故は軽乗用車と大型トラックが衝突して2人が死亡、
1人がけがをしました。
共通するのは車が中央線をはみ出し正面衝突した点だ。管理する県、岡山
市によると、総延長約34㌔区間にガードレールや縁石といった中央分離帯
はない。片側1車線の対面通行のため、ハンドル操作の誤りが重大事故を引
き起こしかねない。
ブルーンラインは1977年に有料道路(2004年に無料化)として全面開通し
た。当初は「岡山ブルーハイウエイ」が通称で、高速道路と混同するとの声
を受け1994年に改称した経緯がある。
では、スピードはどうか。平日の日中に走ると交通量が多く、制限時速60㌔
の範囲内で流れる。ただ、所々に設置された中央線上のゴム製ポールは破損
が目立ちはみ出した跡がうかがえます。
県警交通企画課によると、昨年までの5年間にブルーラインで起きた人身事故
は65件。形態は16件がはみだしによる正面衝突だった。
中央分離帯の整備は重大事故の抑止に有効とみられるものの、県備前県民局は
「整備には多額の予算を伴うため、他の管理道路とのバランスを考える必要が
ある」と説明しています。