電動キックボードの一部で運転免許が不要になった昨年7月の法改

 

正以降、1か月当たりの事故件数が6倍超に急増しています。

 

規制緩和を追い風に利用者が増えたが、新制度を知らないことが原

 

因とみられる違反も。重傷事故も起きており、識者はルールの周知

 

が不十分だとして「死亡者が出るような事故が起きてもおかしくな

 

い」と懸念しています。

(この記事は4月7日の【山陽新聞社会面】からの御紹介記事です)

 

大阪市の繁華街のミナミで今月2月の深夜、大阪府警が電動ボード

 

の取り締まりを実施した。速度を制御せず電動ボードで歩道を通行

 

した20代女性に交通反則切符(青切符)を交付。女性は取材に「歩

 

道を走れると思っていた」と話しました。

 

電動ボードは原動機付き自転車等の免許が必要だったが、昨年7月施

 

行の改正道交法で規制を緩和。最高時速20キロ以下などの要件を満た

 

せば免許が不要となった。最高時速6㌔以下で緑色ライトを点滅させ

 

れば歩道も走行できる。最高時速20㌔超のものは免許が必要のままだ

 

が、周知は行き渡っていない。名古屋市の路上で今年2月、最高時速

 

25㌔の電動ボードで歩行者をはねて重傷を負わせた運転手は「免許が

 

必要と思わなかった」と話しました。

 

電動ボード関連の事故は急増しています。警察庁によると、統計を取

 

り始めた2020年1月からの3年5か月間で88件、けが91人だったが、

 

法改正した23年7月からの半年間で85件、けが86人とほぼ同数に。1

 

か月当たりの件数は約6・6倍のペースに増えた。

 

規制緩和で利用者数も増加している。シェアリング事業を展開する

 

Luup(東京)によると今年3月時点で広島など10都道府県に貸し出

 

し拠点があり、利用に必要なアプリのダウンロード数は「法改正前

 

と比べ1か月辺り2~3倍ペースで増えている」とします。