路線バスがひっきりなしに出入りするJR岡山駅バスステーション。

 

岡山大(岡山市北区津島中)の中国人留学生,閆丁慈(えんていじ)

 

サンは食事やショッピングで街中に出かけた際、何時も帰りのバス

 

に乗るのに困惑すると言います。学生寮から行きの便はどれに乗って

 

も岡山駅を経由するから大丈夫だが、帰りの便が出る同ステーション

 

の13番乗り場は6路線がほぼ30分置きに入れ替わり立ち代わりやって

 

くるので、どれがどこに行くのか良く分からない。

(この記事は2月4日の【山陽新聞・社会面】からのご紹介記事です)

 

バスのフロントには電光表示板があるものの、主な行き先しか表示さ

 

れていない。車体の色やデザインで判別できればいいが、いろいろな

 

種類があって、中には車全体が広告で覆われたラッピングバスも走っ

 

ているから混乱してしまう。

 

最後のよりどころは乗り場にある掲示板の時刻表だが、これも英語や

 

中国語の表示がないから役に立たない。肝心なバス停の名前や地名が

 

日本語ばかりで、困った挙句に近くのバスの案内所で聞いたり、通り

 

がかりの人を捕まえて尋ねたりしてどうにか帰りの便を探し当ててい

 

るのが実情だ。

 

昨年9月の来日から約4か月たった今もそれは変わらない。

 

JR岡山駅の改札口付近のバス乗り場の案内板を見てもほぼ同じ。駅を中

 

心にクモの巣のように張り巡らされた路線図とともに、バス停名の一覧

 

表が表示されているが、ここでも英語や中国語は見当たらない。

 

「せめてバス停の読み方だけでも分かるようにしてくれれば助かるんで

 

すが…。本当に心細い思いになります」と閆さん。

 

来日してまだ日の浅い昨年10月には、こんなこともあった。

 

岡山県矢掛町であった地域イベントに参加して岡山駅まで戻ってきたとき、

 

夜遅くなったなったので危うく寮に帰り損ねそうになったらしい。午後の

 

8時を過ぎてバスの案内所は既にシャッターを下ろしていた。辺りを見ても

 

人はまばら。誰かに聞こうにも聞けない。焦って停車しているバスに片っ端

 

から乗り込んで運転手に行き先を聞いて回り、やっとのことで岐路に就いた。

 

岡山に住んでいる留学生でさえ戸惑うのだから外国人観光客は言うまでもな

 

いだろう。

 

岡山駅構内にある岡山市の観光案内所には、新型コロナウイルスの感染がや

 

や落ち着いた昨夏から連日100人以上が訪れる。JR西日本が玉野市方面の路

 

線を減便したためだろうか。現代アートで有名な香川県・直島を目指して同

 

方面行きのバスの乗り方を尋ねてくる人が大半だという。

 

1日の来所者数はコロナ禍に泣いた2020年頃と比べて3~5倍に急増、英語や

 

中国、韓国語を話せる職員を5,6人常駐させて対応しています。