絶滅の恐れがある希少な植物が複数種類自生する場所が新見市内に
あります。岡山県内で唯一確認されているノコギリソウ(キク科)
とヒオウギ(アヤメ科)を含む全6種類。重井薬用植物園(倉敷市)
葉「山の荒廃によって自生地が減る中、1カ所にこれだけの種類がま
とまってあるのは全国でも珍しい」とし、住民とともに保全に取り
組んでいます。
(この記事は1月24日の【山陽新聞・エリア広域面】の紹介です)
県のレッドデータブックで絶滅危惧1類に分類されるノコギリソウ、
Ⅱ類のヒオウギのほか、環境省のレッドリストで絶滅危惧Ⅰ類のシ
ロヤマブキ(バラ科)、Ⅱ類のベニバナヤマシャクヤク(ボタン科)
キンラン(ラン科〉、フナバラソウ(キョウチクトウ科)。新見市
東部の山の斜面の一角₍約13㌃)に群生したり1株が生えたりし、貴
重な自生地となっている。
元々は山を所有する藤野熊雄さんが50年ほど前にベニバナヤマシャ
クヤクを見つけ、草刈りなどの手入れを続けていた。ただ、年齢と
ともに作業が困難になったため、2010年に調査で訪れた重井薬用植
物園の片岡博行園長らが協力を申し出て,良く11年から保全活動を展
開。その中でほかの植物の自生に気付いたという。
昨年末にも片岡園長やボランティアスタッフら計5人が訪れ、雑草や
落ち葉の除去に取り組んだ。見守った藤野さんは「本当にありがたい」
と感謝しきり。片岡園長は「藤野さんが守らなければ山が荒れて絶滅し
ていただろう。私たちもしっかり維持していきたい」と力を込めていま
した。