新型コロナウイルス禍で激変したインバウンド(訪日客)が回復す

 

る中、福山市と地元住民が外国人観光客の受け入れに力を入れてい

 

ます。本年度初めて外国籍のクルーズ船が来航した景勝地・鞆の浦

 

では、事前に準備していた英語による施設案内やガイドが不十分だ

 

った経験を踏まえ、受け入れ態勢を充実させていく考えです。

(この記事は12月31日【山陽新聞・エリア広域面】の紹介記事です)

 

4月~11月に米仏のクルーズ船が7回訪れた福山市鞆町。1隻で200人

 

余りの外国人観光客が上陸し、江戸期の風情が残る町並みを散策した。

 

国重要文化財・太田家住宅を管理する住民グループの岡本純夫さんは

 

「これだけ大勢の外国人が一度に来るのは初めて。とても説明しきれ

 

なかった」と話します。

 

住民が運営する太田家住宅では予算の制約から、展示を紹介する英語

 

の案内板はなく、無料で使える公衆無線LAN・WイーFi(ワイファイ)

 

も未整備。靴を脱いだ際に足裏に土間の土が付き、そのまま畳に上がる

 

訪日客が続出し、英語の注意書きや使い捨ての靴下を急きょ用意した。

 

岡本さんは「訪日客の増加は止められない。Wi-Fiの増設や鞆に多言語

 

案内窓口の整備を」と求めます。

 

住民らでつくる「鞆の浦しお待ちガイド」も課題に直面した。英語が話

 

せるガイドは6人しかおらず、うち唯一の全国通訳案内士,壇浦千里さん

 

葉「人員も勉強も不足している」と話す。普段の歴史解説に興味がない

 

訪日客もおり「日本人向けとは違う工夫が要る。2025年には世界バラ会

 

議福山大会もあり、通訳とガイドができる人の養成が一層必要」と語る。

 

福山市港湾河川課によると、クルーズ客には歴史漂う港町にボートで上陸

 

し、古い日本家屋の町並みが見られる点が好評を博した。一方、買い物が

 

できる店舗や両替場所の情報不足などが露呈しました。

 

今年は既に4回の来港が決定。市は今後、昨年の寄港で実施した福山城な

 

どを巡るツアーの拡大、両替対応の充実、買い物の割引チケットと店舗地

 

図の配布などを検討しています。