今年生誕100年を迎えた岡山県備前市出身の直木賞作家・柴田錬三郎


(1917~78)の大ヒット作「眠狂四郎」シリーズの直筆原稿が、今月7日


から「吉備路文学館」(岡山市北区南方)で初公開されています。


シリーズ第7作の全部と第8作の一部の計2142枚です。

    (このニュースは5日付の【山陽新聞】から画像もお借りしました)

 



黒い万年筆で流れるように文字をつづっており、多作、早書きで知られた


柴田の創作スタイルがうかがえる貴重な資料です。






柴田は旧制岡山二中(現岡山操山高校)を経て慶応大学を卒業して、52


年に「イエスの裔(すえ)」で直木賞を受賞しました。


江戸後期を舞台に孤独でニヒルな剣豪・眠狂四郎が活躍する「眠狂四郎」


シリーズは、56年から週刊誌に連載され大好評で、一躍人気作家となりま


した。狂四朗の妖艶な立ち居振る舞いと、弱きを助ける痛快な展開がファン


を夢中にさせ、映画やテレビドラマにもなりました。


初公開される直筆原稿は、第7作「眠狂四郎虚無日記」の全2100枚と第


8作「眠狂四郎無情控」の一部42枚で、4年前に吉備路文学館が古書店


から入手していました。



原稿用紙には言葉を書き加えたり、二重線や波線を引いて手直ししたり、


推敲の跡もうかがわれます。


一時は週5本の連載を抱えたという柴田ですが、「多作のわりには原稿が


あまり残っておらず、”シバレン”の息遣いや人間的魅力に思いを馳せて


頂きたい」と熊代正英副館長は話しています。


直筆原稿は、自筆の書画や映画のポスターなど約80点で回顧する「生誕


100年 柴田錬三郎展」(来年2月4日まで)で披露されています。


問い合わせは同文学館(☎086-223-7411)までとなっています。


 ここでチョット映画「眠狂四郎」を回顧して見ましょう。


 先ず狂志郎役を演じたのは56年の第1作から3作目までは鶴田浩二さ


 ん、4作目から15作目までは市川雷蔵さんでしたが、イメージ的には眠


 狂四郎=市川雷蔵というのが定着した感じがします。


 全17作あったのですが最後の2作で狂四郎を演じたのが松方弘樹さん


 だったのですネ。年次別にその題名だけご紹介しておきますネ。


 ※56年  「眠狂四郎無頼控」

 ※57年  「眠狂四郎無頼控 第二話 円月殺法」

 ※58年  「眠狂四郎 魔剣地獄」

 ※59年  「眠狂四郎 殺法帖」

 ※64年  「眠狂四郎 勝負」 「眠狂四郎 女妖剣」 「眠狂四郎 円月

        斬り」 

 ※65年  「眠狂志郎 炎情剣」 「眠狂四郎 魔性剣」 

 ※66年  「眠狂四郎 無頼剣」 「眠狂四郎 多情剣」 

 ※67年  「眠狂四郎無頼控 魔性の肌」 

 ※68年  「眠狂四郎 人肌蜘蛛」 「眠狂四郎 女地獄」 

 ※69年  「眠狂四郎 悪女狩り」 この後松方弘樹⇒「眠狂四郎 円月

        殺法」 「眠狂四郎 卍斬り」  

                      以上17作品が映画化されています。