6月に入ると分散登校ではありましたが、学校が再開されました。
学校で友達とも会え、4年生としての時間が動き出しました。
そして息子の手も、親が指一本腕に触れていれば自分で針を刺せるようになっていました。
この『指一本』がどうしても必要でした。
分散登校から本格的に登校ができるようになり、給食も始まることになりました。
学校には、自分で注射が打てなくなったこと、
打てるようになるまでは親が付き添うことを伝えました。
給食再開初日、養護室で私の指一本添えて注射を打ちました。
養護の先生は、
「大丈夫ですよ」
と温かく見守ってくれました。
翌日は夫が給食の時間に合わせて学校へ行きました。
そして帰って来ると、
「息子、自分で打ったんだけど」
と言いました。
「え?何で?急に!?」
あまりの急展開にびっくりです。
でもあの時みたいに、走り去るたくましい息子の背中が想像できました。
休校期間中、どうしても動かなかった息子の手が、学校と言う環境の中で再び動き出したことが本当にうれしく思いました。
そこには何も言わないけれど、息子の背中を押してくれる友達や先生がいてくれたのです。
その日もおいしい給食をたくさん食べて、
元気に息子は帰って来ました。
6月は私と娘の誕生日があります。
息子が再び注射を打てるようになったことが一番のプレゼントでした!
後日また息子に、「あの時どん気持ちだったの?」と聞くと、「いや~、さすがに打てないのはつらいなって思った」とのことです。
自分で打つつらさより、打てないつらさの方が大きかったんだね。
