金曜日の朝が来ました。
血液検査の結果は、
「本人が来なくても大丈夫だよ」
と言われていたので、息子はいつも通り学校に登校しました。
ただ息子には、
「血液検査の結果によっては、C病院を受診して入院することになると思う」
と伝えてありました。
その日は夫も仕事が休みだったので、
一緒に内科へ向かいました。
待合室で少し待つと、すぐに呼ばれました。
私はその時K先生が何て言ったのかよく覚えていません。
でも、血液検査の結果が書かれいる用紙を見た瞬間、色んな感情に襲われ、その感情が涙としてあふれ、叫びだしたいのを必死で抑えていました。
基準値を大きく上回る息子の数値。
息子の体がどれだけ辛かったかが分かり、
苦しくて涙ばかりが出ました。
そして息子に対して「申し訳ない」と思ったのです。
私の『あの時』はこの時の感情だったと思います。
K先生が、
「紹介状を書くよ。どの病院がいいかな?」
と言ったので、
「先生、大変申し訳ないのですが、C病院に紹介状を書いてもらうことはできませんか?」
とお願いしました。
するとK先生は、
「うん!よし!分かった!
それじゃC病院にしよう!」
とすぐに紹介状を準備し始めました。
K先生が紹介状を書く間に私は一旦外に出て、
C病院の予約センターに電話をしました。
自分でも驚く程声が震えていましたが、
何とか血液検査の結果と、紹介状を書いてもらっていることを伝えました。
予約センターの方は一度担当医師と相談した後、13時に受診予約を入れてくれました。
無事に受診できることになり、ホッとしてようやく気持ちも落ち着いてきました。
その後小学校に電話をして、
「病院を受診するので早退させてください」
と伝えました。
内科から小学校へそのまま息子を迎えに行きました。
息子はさほど驚いた様子もなく、
「あ?行くの?」
と言う感じでした。
ちょうど中休みだったので、クラスメート達が寄って来て、
「息子、帰るの?」
「息子、バイバーイ!」
と声をかけてくれました。
一旦家に戻り、サッと入院の準備をしました。
まだ診断はされていませんでしたが、
恐らく今日から入院になると思っていました。
支度が終わり、
「お昼、何食べたい?」
と聞くと、
「マック!!」
と言うので、最寄り駅のマックへ向かいました。
ちょうど息子と私の大好きな月見バーガーの季節だったので、二人で月見セットにしました。
店内には絢香の『三日月』が流れていました。
『三日月』を聞く度に、この時のことを思い出します。
お昼を食べて、電車とバスを乗り継いでC病院に着きました。
受付を済ませ、専門の科の付近で待ちました。
待つ間、息子は身体測定や採血をし、私は成育歴を細かく記入していました。
そうして診察室に呼ばれました。
診察室には、30代位の男性の先生と
女性の先生がいました。
「紹介状と血液検査の結果から、
息子くんは『1型糖尿病』を発症されたと
思われます」
先生はゆっくりと丁寧に、
息子に語りかけるようにそう言いました。
自分の足でC病院へ向かいました。
途中でコロコロコミックを買ってもらい、ウキウキな息子でした。