以前の記事で、ギリシャはデフォルトするが時期はまだ先だろう、と書いた。
しかし、最近の情勢を見ていると年内にもデフォルトする可能性が高まってきた。

しかし、正直なところ、ギリシャがいつデフォルトするかはわからない。
正確には、マーケットを見ていてもギリシャがいつデフォルトするかなんて言い当てることができない。
なぜなら、もはやギリシャはマーケットから退場させられてしまった国だから。

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(出所)Bloomberg

これはギリシャの一年金利である。数字が100を超えているが価格ではなく利回りを表している。

もはやこの数字にほとんど意味はない。こんな金利ではギリシャはマーケットから資金を調達することができない(今に始まったことではないが…)。
ギリシャはすでにマーケットから資金調達ができないのだから、ギリシャの金利がどんなに上がろうがそれはギリシャには関係ないことなのだ。(厳密にはギリシャの銀行などがギリシャ債を持っているので、金利が上がれば評価損になり悪影響はあるが、ギリシャ債の多くは外国人が保有している。)

ギリシャが生きながらえることができているのは、マーケットからの資金調達ではなく、EU当局・ECB・IMF(3者を合わせてトロイカと呼ばれている)からの融資があるからなのだ。
乱暴に言ってしまえば、どんなにマーケットでギリシャ国債が売られようと、トロイカが融資を続ければギリシャは生き延びることができる。

なので、いくらマーケットの数字を追いかけてもギリシャがいつデフォルトするかなど分かるわけではなく、ギリシャのデフォルト時期はトロイカの政治判断で決定されることなのだろう。

「いつ、どのようにデフォルトさせるのがトロイカにとって最も被害が少ないのか」
ギリシャのデフォルト時期はこれに尽きる。

なので、逆を言えば、FXなどをやっている人にとっては、もはやギリシャの金利をチェックする必要はあまりないだろう。
それよりも、ギリシャ問題が周辺国へ波及することがEU・ECBにとって最悪なシナリオなのだから、イタリアやスペインの数字に注目するべきだろう。


ギリシャ関連のエントリー
1.ギリシャ問題まとめ①
2.ギリシャはデフォルトする、EUは不滅
3.ギリシャ問題UPDATE~周辺国への波及~
4.ギリシャのデフォルト時期はわからない
5.欧州危機~ギリシャの次の課題


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