チェコとオーストリアを巡る旅 in 名古屋 | (新)なごやん

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名古屋からJリーグ アルビレックス新潟に熱い思いを送ります。旺盛な好奇心そのままに、アルビネタに留まらず、鉄道、芸術、SWL(短波・海外放送受信)、昆虫、等々、思いつくまま書いていきます。
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【少々長いイントロ】

 チェコの音楽家というと、ドヴォルザークスメタナが思い浮かびますが、日本ではドイツなどと比べそれほどよくは知られていないと思います。私も、チェコの民俗音楽などは好きなのですが、それほど多くは知りません。

 そんな中、名古屋では2022年から「チェコ音楽の祭典」と言う、一種のコンテストが行われています。

 創始者はCoCo壱番屋を創業した宗次徳二氏で、一次審査、二次審査を経て10数人が"入賞"し、その中から更に優秀な音楽家が選ばれます。審査員にはもちろんチェコの音楽家もいます。ジャンルは問わず、応募者はソロからアンサンブル、小学生からプロの音楽家にまで及び、チェコ音学に関心を持つ若手発掘の場と言ってもよいでしょう。名古屋で行われるのは、たとえ恥ずかしい市長をいだく名古屋市民であっても、嬉しいことです。

 

 チェコの大ピアニスト、ヤン・パネンカ(Jan Panenka)氏の名前から、Musica Panenkaを冠されています。そして、第1回の2022年はパネンカ氏の生誕100年に当たる年で、パネンカ氏のご子息の承諾を得て、この催しを企画したそうです。

 今年からは「チェコ音楽の祭典コンクール」と、"コンクール" が加わります。

 その後、入賞者が集い、「受賞者記念コンサート」が行われます。そこでは聴衆が投票する「聴衆賞」もありますが、最優秀賞も選ばれます。

 昨年の受賞者記念コンサートは7月に開催されました。

 

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 昨年最優秀賞を受賞したのは愛知県出身のテナー歌手、前川健生さんです。

 その前川さんのリサイタルが一昨日、名古屋で開催されたので、私はあまり馴染みのないチェコクラシックの、それも声楽ということで、敢えて行ってきました。

 

 場所は名古屋市中心の栄にある「宗次ホール」です。

 地下鉄栄駅で降り、ホールに近付くと案内板が誘導してくれます。

 

 自由席ですが、それほど大きくないホール、しかもマイナーな分野なので、あまりあわてて行かず、開演10分前ぐらいに着いたら、さすがに、ほとんどの人が入った後で、入口はガラーンとしていました。座席には思っていたより多くの客がいました。

 

 チェコはオーストリアと関係の深い国であり、というか、私から見れば、チェコは長い間オーストリア帝国の支配を受け、いわばオーストリアに虐げられた国だと思いますが、文化的には多くの影響を受けています。 

 ですから、タイトルにも「チェコとオーストリアを巡る旅」と入れたのでしょう。

 演目はマーラーヤナーチェクスメタナドヴォルザークコルンゴルトと言ったチェコの作曲家の作品に加え、オーストリア代表(!?)モーツァルトの曲もありました。

 

 どの曲も前川さんの美声と声量に圧倒されましたし、私にとっては初めて聴く曲が多かったのですが、全く退屈することなく、あっと言う間に時間が過ぎました。

 彼のスピーチも無駄がなく、自分はまだ勉強中であると言いながらも将来の希望をしっかり述べ、言葉遣いも含め、気負わず着実に道を歩む、優秀な音楽家だと思いました。

 また、ピアノの赤松美紀さんも、ピッタリ息の合った見事な伴奏を披露してくれました。

 

 アンコールは日本人によく知られているシューベルトの歌曲集「冬の旅」から「菩提樹」、ビゼーの歌劇「カルメン」から「花の歌」、それに、プッチーニの歌劇「トゥーランドット」から「誰も寝てはならぬ」のチェコとは直接結びつかない3曲で、特に歌劇の2曲は、前川さん自身が「もう少し歌わせてください。」と言って歌いました。

 彼にとっても、今のところオペラ曲がメインなのでしょう。

 

【そして蛇足のエピローグ】

 このホールを造った宗次氏自身は音楽家ではないものの、音楽、特にクラシック音楽に対する造詣は深く、また、若手人材を育成しようという意欲に溢れ、宗次氏が関わるコンテスト等の入賞者の多くは、その後才能を伸ばし、日本に、世界に羽ばたいています。恐らく、選考委員の人選がよいのでしょう。

 

 美術館/博物館と違い、サッカー等スポーツの試合同様、その日だけのイベントというのは時間調整が難しいのですが、私はこのホールが好きですし、そのうちまた何か聴きにいきます。

 

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