なごやんのBCL史(62)中央アジアの石の町 | (新)なごやん

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 2017年1回目のBCL史は中央アジア、旧ソ連邦を構成していたウズベキスタンの放送です。

 

【背景】

 ウズベキスタンの歴史は古代、あるいは先史時代に遡るのですが、私は中学、高校時代、「ソ連邦の構成国」、「主産業は綿花」、「シルクロードの交易拠点サマルカンドを擁する」などと学びました。日本での国の呼び名は「ウズベク共和国」、「ウズベクソヴィエト社会主義共和国」でした。

 

 そのウズベキスタンは内陸も内陸、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタンにぐるりと囲まれていて、首都は砂漠(キジルクム砂漠)に浮かぶオアシス都市、タシケント(タシュケント)です。

 

 タシケントはテュルク系言語で「石の町(tash,tosh:石;kent:町)」という意味で、紀元前2世紀に建設された城塞都市にちなんで名づけられたもの*だそうです。

 *21世紀研究会編:地名の世界地図(第9刷),文藝春秋,東京,2001

 

 カザフスタンとの間には大きな湖「アラル海」があったのですが、1960年代に行われた灌漑や地球温暖化等の影響を受け、その面積は徐々に、否、急速に縮小し、今ではほとんど水がなくなっています。

ウズベキスタンの位置

 

 ウズベキスタンは今は完全な独立国ですが、1917年、ソヴィエト社会主義革命が起きると、トルキスタン自治ソヴィエト社会主義共和国の一地方としてソ連邦に加わりました。いくつかの変遷を経て、1924年10月にウズベキスタンソヴィエト社会主義共和国となっています。

ソヴィエト社会主義革命50周年記念切手(ウズベク)

 

 ウズベキスタンは社会主義政権のもとで綿花を中心とした農業や石炭、石油といったエネルギー源の産出で発展してきました。

 

 1991年、ソ連邦が崩壊すると、ウズベクもウズベキスタン共和国として独立し、現在に至っています。

 

【ラジオ・タシケント】

 ウズベキスタンには「ラジオ・タシケント」という国際放送があります。

 

 私がこの放送を聴いていたのは、ウズベキスタンがまだソ連邦の構成国であった時代です。

 

 ウズベキスタンの民俗楽器、「チャング」と呼ばれるハープの一種で奏でられる民俗音楽をインターバルシグナルに使い、オープニング曲も地域的色彩を有するものでした。曲名はどこかにメモしてあったはずなのですが、今となってはそのメモは出てきません。残念です。

 

 ソ連邦の一員であったにもかかわらず、ラジオ・タシケントはモスクワ放送とは異なる独自の番組を放送していました。

 番組には月並みなニュース、解説もありましたが、その時々の話題をもとにしたフィーチャーものもあり、楽しませせてもらいました。もちろん、ニュース等の論調はモスクワ政府のものと殆ど同じでしたが。

 

 番組終了時にはソ連邦国歌とは異なるウズベキスタン国歌が奏でられました。中央アジアをイメージさせる滔々とした国歌です。ウズベク語ができない私は正しく歌うことはできませんが、世界の国歌の中でも好きな部類に入ります。

ウズベキスタン国歌(ソ連邦時代;メロディーは今と同じ)

 

ログより

 

 受信レポートへの返信は単にカード類が送られるだけでなく、手紙も同封されていました。中味の多くは定型的なものですが、個人に宛てたメッセージも書かれていました。 (ミススペリングや British English と American English の混在はご愛敬ということにしましょう。)

ラジオ・タシケントからの手紙

 

 受信証にはソ連邦の形とモスクワおよびタシケントの位置を示した図案が用いられ、タシケントの観光スポットのひとつでもある時計台が描かれていました。

受信証

 

 外国向け放送時間は多くなく、ひとつの小さなフォルダーに書ききれるぐらいなものでした。

英語放送スケジュール

 

 よく絵葉書が入っていました。右の写真はサマルカンドにある「グーリ・アミール廟」です。

絵葉書

 

 イスラム教徒の多い国ですが、毎年、クリスマス仕様のグリーティング・カードが送られてきました。ただし、「メリー・クリスマス」ではなくロシア語で「謹賀新年」です。

季節の挨拶状

 

 こういったものを送ってくれる時の封筒には記念切手がびっしり貼られていました。

"年賀"封筒

 

 旧ソ連邦のロシア共和国以外の放送としては、このほか、キエフ(ウクライナ)、ヴィルニュス(リトアニア)、イェレヴァン(アルメニア)、バクー(アゼルバイジャン)をよく聴きましたが、それらについてはまた追々書いていきます。

 

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