地上に行けないって言ったか!?
それでなくとも
蒸し暑いこの密室の中で
普段とは違う汗が出る様が
明らかに感じられた
そして
その状況とは異なり
す~っと
背筋が凍る
この密室だ
逃げられるはずも無いこの空間
早くつけ
早くホームに着いてくれ!
いつも
妙にユックリだと
イラついてはいたが
今日はいつも以上に
エレベーターが遅く感じられる
あぁ
何やってんだよ
っとにもぉ!!
でも
心の片隅では
『堂々としていろ!』
『気のせいだ!』
『普通の爺さんがちょっとイカれた事を言ってるだけだ!』
と必死に言い聞かせる
そうこうし
エレベーターのドアから
少しホームの灯りが見え始めた時
右後ろに感じでいた
老人の気配が無い事に気づく
視界の端に注意をはらい
首を動かさない範囲で
辺りを見渡す
いや
居ない
居ないぞ!?
おいおい
マジか!?
本当にそんな奴だったのか?
でも良かった
変な事にな…
〈連れてってくれるか〉
!!!
気づくと
目の前に老人が!!!
『ゔぐぁぁぁぁ!!!』
俺は声など出ず
心の中でそう叫んだ
つづく
Written by Tomo