『大学3回生から4回生卒業にかけて』
公務員試験、就職活動に失敗。大学の卒業実験が半年たっても1年たってもテーマを変えても上手くいかず、担当の教授とだんだん顔を合わせづらくなっていき会うのも怖くなった。もともと座学の授業の成績は割と良い方だったので、急な挫折で劣等感からか入学当初から仲のよかった友達とも会話するのが怖くなった。
まともに会話できるのが先輩後輩だけになり、なるべく知ってる人に会わないように夜中に登校して実験をしていた。
ひとり暮らしだったので、昼夜の感覚がくずれると昼夜逆転が戻せずに次第に引きこもりがちになり精神のバランスが崩れていった。ひとりでいると気が付くと「氏にたい」という言葉を抑えようとしても口をついてつぶやいてしまっていた。
そのうち自分が何に悩んでいるのか分からなくなり、何もしたくなくなった。気が付くと意味もなく泣いている様な生活が続いた。
ひきこもり大学生をしていたときに両親が仕事を休んだりしながら何度かひとり暮らしの部屋にやってきては、少し話をして泣いて実家につれ戻されるのを数回繰り返した。
実家で少しマシになって、また独りの部屋にもどるとまた気分が落ち込んで引きこもった。
そのうちに父さんが外へ連れ出そうと大学近くの焼肉を食わせてくれることになった。久々に夕方に外に出てキョロキョロびくびくしながら歩いた。ひさしぶりに飲んだビールは本当にうまかった。ちょっと酔って気がまぎれた。
我ながら単純なもんだ。
我ながら単純なもんだ。
次の日、大学の支援課のカウンセラーと学内の精神科医の前に連れて行かれ、自分の中の澱のように溜まったものをはじめて吐き出した。多分ちゃんとした日本語に成り立ってなかったと思う。
何に悩んでるのかもう分からないけどとにかくなぜか辛いんだと伝えると、学内の医者は解決の仕方を教えてくれた。
抱えている問題を並べ上げ、ひとつの問題を要素に分解し、優先する順番を決めていった。
抱えている問題を並べ上げ、ひとつの問題を要素に分解し、優先する順番を決めていった。
その過程で、もう問題ではないことまでいくつか抱え込んでいたことに驚いたりした。そうして心のモヤがだいぶ晴れた。
相変わらず同級生と先生には最後まで恐怖心があった(今でもたまに夢に出る)けれど、研究室の先輩には卒論でかなりお世話になった。精神が復活してから、それまでの1年半の実験を捨てて2週間で結果の出るテーマをひねり出して勝手に実験を始めた。発表資料づくりでかなり先輩に助けてもらったが、最後まで教授の指導を受けずに卒論発表を終えた。
まもなく卒業式があり、追い出されるように大学を卒業した。
(『卒業後から現在』に続く)

