パテントリンケージ(3) | 医薬品特許の備忘録

医薬品特許の備忘録

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第二段階(事前調整:承認~薬価基準収載)

 

医療用医薬品は厚労省の承認を受けた後、薬価基準収載(薬の価格の登録)がされると販売可能になる。承認を受けた者は、一定期間内に薬価基準収載の申請をする必要がある。

 

後発医薬品の承認は、現在年2回(2月と8月)に行われている。薬価基準収載も年2回(6月と12月)であり、2月に承認された後発医薬品は、最短で同じ年の6月に、8月に承認された場合は12月に薬価基準収載されうる。後発医薬品が承認されると承認情報が日薬連のホームページに掲載され、それにより先発企業は後発医薬品の存在を知ることになる。

 

後発医薬品承認の時期が近づくと、その都度、PMDAから日薬連を通じて、日薬連の会員企業に対し、特許係争のおそれがあると思われる品目の薬価収載を希望する場合は、事前に当事者間で調整を行い、指定期日までに調整の結果を厚生労働省に提出するよう通達がある。

 

パテントリンケージの第一段階で、物質・用途特許については確認が済んでいるため、第二段階ではそれ以外の製剤特許・製法特許などへの抵触有無について確認することになる。

 

通常、先発企業が自社特許への抵触を懸念する後発医薬品を見つけた場合、直接後発企業にコンタクトすることにより、話し合い(事前調整)が始まる。事前調整が行われた場合、両当事者は、話し合いを開始した時点及び事前調整期間終了の時点で、厚生労働省に報告をしなければならない。

 

厚生労働省への報告は義務づけられているが、あくまでも報告をすればよいので、両者による話合がまとまっている必要はない。よって、事前調整が行われた後に薬価が収載されても、特許抵触がないことを意味するわけではない。

 

薬価収載後に特許訴訟に発展する場合があるし、薬価収載を阻止すべく、収載前に特許侵害訴訟が提起される場合もある。

 

尚、既に最初の承認がされた後発医薬品の、追加承認で、薬価がすでに収載されている場合は、承認後薬価基準収載されなくても販売可能である。このような場合は、パテントリンケージ第二段階のチャンスは事実上存在しないことになる。