夏休みに入って2週間程たった頃


俺は彼女が親と関係が良くないことを確信する。


3日に一度は喧嘩といったとこだろうか・・・


始まりは些細なことなのに、最終的には


「出て行け!」


「出て行く!」という結果になる。


あの夜、彼女は家を飛び出さなかったが


普段は飛び出すようだ・・・。


俺は心配で仕方なかった。


中学生の女の子が夜中に飛び出す・・・


何があるか分からないのに・・・。


親も親で出て行かせる・・・理解できない。



彼女は極度に寂しがり屋だ。だけど、凄く強がりだ。


そして、親は頑固だ。


維持の張り合いが結局、何も産まない。


いつだって母親と父親はチームだ。


2人がかり・・・。


俺はこの喧嘩を止めたいって思った。


この喧嘩をやめさせれたら、


彼女は凄く救われるんじゃないか?って思った。




基本的に、家で遊んだ。


ビデオ屋で適当な映画をレンタルし、


俺の家で見る。


そんな繰り返しだった。


そんな繰り返しだったけど、


俺は幸せで仕方なかった。


映画を見るとき俺の前に彼女が座る。


俺は後ろから彼女に手を回し抱きしめる。


彼女は決まっていった。


「落ち着く」


その言葉に俺はさらに強く抱きしめる。


嬉しくて仕方なかった。


俺が彼女にあげたいもの、


『安心できる場所』。


それは肉体的にも、精神的にも。


「落ち着く」


その言葉は俺を強くしてる・・・そんな気がした。



時間はあっという間に流れる・・・


彼女は7時が門限だったから


いつも6時半には家を出た。


帰り道レンタルしたビデオを返し、


彼女を後ろに乗せながら


自転車をゆっくりこぐ。


彼女が俺の腰に手を巻きつける。


俺はその手を握る。


(今日は喧嘩しないかな・・・)


別れの時間がくると、いつもそう思ってた。


不安で不安で仕方なかった。



自転車から降りた彼女は、


いつもにっこり笑って


「また明日」と言ってくれる。


一瞬、不安がなくなる。


この言葉のたびに、平和に明日が迎えられる気になった。


「じゃ。明日、いつもの場所で」


「うん!」


こんな日がいつまでも続けばいいな。


そう思ってた。





『そこに愛があればずっと笑えるんだ

 

 そこに何もなければ終わってしまう』


            ♪一期一会