歩く、ということに関してみなさんの意見を伺うと、困っていない、大丈夫、という方がほとんどですが、では10年後、20年後はいかがですか?というと、大丈夫!とは言い切れないのではないでしょうか。
歩行については様々な運動方法、ダイエット、リハビリ関連など、本、雑誌、DVDが常に書店の平積みにあるように思いますが、これが正解というのが大変に難しいジャンルです。
それは、人間の運動、こと、股関節・骨盤周囲の動きに関しましては非常に自由度が高く、個性豊かな部分で、年齢、職業、運動経験、両親や身近な人の影響などの考慮なしに答えが出ないところですが、ここでは提案を兼ねて、こんな風に歩行ができたら理想的、という状態をできるだけ単純化してお伝えできれば、と思います。
というのも、「立位」と「歩行」にこれからの人間の健康の鍵が見えるからです。
NEUTRAL BASEでは立位と歩行にとって最も要となるのが「股関節」と考えます。
僕自身は大好きな関節ですが、股関節のやっかいなところは「使っている感覚がはっきりしない」、ということです。
指の第一・第二関節は曲げる、伸ばす、だけですから分かりやすいです。
肘はどうでしょう?
曲げる伸ばす、の他にもう一つありますよね?
「回旋」です。
「おせんべ焼けたかな」(ふる)のように手のひらをひっくり返すのは、「手」の動きではなく「肘」の動きです。
さて、では肩はどうでしょう?
かなり複雑です。
ぐるぐる回っちゃいますもんね。
でもまだ分かりやすいです。
前、横、後ろ、回旋、がまざった動きで、そこに肩甲骨ごと動く動きが入ります。
基本的には肘と肩関節の間、上腕骨を動かす動きです。
さてさて、股関節に行ってみましょうか?
・・・・・・・・・・・??
股関節を動かすって、どういうこと?
どっからどこまでが動くと股関節が動いたことになるの?
股関節を動かす筋肉ってどれ?
つか、股関節ってどこ?
じゃないでしょうか?
そうなんです。
肘や肩など目に見えて触れる関節でもよくわからないんです。
特に運動感覚、どの筋肉がどう動くとどう作用してどんな感覚があるのか、は普通は無意識の中に眠っています。
必要ないですから。
しかしそこが落とし穴で、ほとんどのコリや関節の異常は、ちょっとした骨と筋肉の位置関係のブレ、いわゆる関節のミスアライメントによって起こります。
特に股関節が難しいのが、その構造と運動能力です。
股関節だけを動かす、という動作はほとんどないため、股関節の正確な位置や、動きを感覚的に捉えることがとても難しいのです。
さらに、股関節以外の関節をまたいで付いている筋肉が多く、骨盤や脊柱、膝などと連動してしまうこともあり、また、全身の重さがかかり、バランスにも意識が取られるため、関節自体の「感覚」となると、ほぼ皆無と言っていいかもしれません。
では股関節の位置を知るにはどうしたらいいでしょう?
背もたれのある椅子に寄りかかり、リラックスした状態で右膝を外に開いてみましょう。
その時の鼠蹊部、脚の付け根、が股関節の場所です。
鼠蹊部を探りながら、膝を開いたり胸に近づけたりした時、起点になる場所が股関節の場所です。
球関節といって、肩と関節自体の構造は似ていますので、やはり、前、横、後ろ、に回旋が加わります。
ここでわかったような気がしますが、難関はこれからです。
寄りかかって座って動かしたのはなぜか?です。
それは骨盤、体幹を固定して股関節だけが動くようにセッティングしたためです。
普段の動作で股関節だけを動かす、ということが非常に難しいのは、いわゆる体幹固定や、骨盤固定が難しいためです。
この体幹・骨盤固定に関しても、固定されているのがこれだ、という感覚を得るのが難しいため、股関節が正確に動いている、という感覚がよけいに持ちにくいのです。
もう一つの難関は「癒着」です。
前回お伝えしたように、座位で固定されることが多く、動きは少なく、どう動かすのが良いのかわかりにくい、となると、当然動きが悪くなります。
その結果、股関節の動きはあまり使わず、体幹や骨盤、下肢などを過剰に使うことでフォローしてしまう、いわゆる代償運動が起こります。
そのように使うことでさらに関節の感覚は鈍り、癒着を起こし、ますます代償運動をする、という悪循環が始まります。
腰痛、膝痛、アーチ痛、痔、脱肛、子宮脱、尿漏れ、内臓下垂、もちろん股関節の異常など症状は多岐にわたります。
ここでは「股関節」を意識しやすくなるような単純な動画をごらんください。
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