脳梗塞急性期の抗血小板剤2剤併用(DAPT)の有用性 | 神経内科専門医の日々のつぶやき

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近年、脳梗塞急性期での抗血小板薬2剤併用療法(DAPT)とaspirin単独投与と比較した試験が実施されており、急性期におけるDAPTの有用性が期待されています。


チューリップ脳梗塞急性期の抗血小板剤2剤併用(DAPT)の有用性チューリップ


CHANCE studyは、TIAまたは軽症脳卒中の発症から3ヵ月以内の再発率は10~20%で,大部分は2日以内に発症すると言われています。
TIAまたは軽症虚血性脳卒中患者において,clopidogrel +発症21日間のaspirinの併用群とaspirin単独投与群の90日間の再発リスクを比較したものです。

発症第1日にはaspirin 75~300mg(用量は医師が決定)を投与し、clopidogrelを投与するかしないかで、以下の2群に分けています。
併用群では、clopidogrelを発症第1日に300mg、第2~90日に75 mg/日投与し、aspirinを第2~21日に 75 mg/日併用しました。
aspirin単独群では、発症第2日~90日に75 mg/日を投与しました。

結果、脳卒中再発予防について、clopidogrel+初期21日間のaspirin併用は、aspirin単独投与にくらべすぐれており、出血リスクは上昇しませんでした。