行きもしなかった。 | いつも木端微塵

いつも木端微塵

ギタリスト:テリー木端の日記。この日記は、フィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係ありません。
音楽的影響:King Crimson,XTC,Japan,Joy Division,The Blue Nile,
The Smiths,Morrissey ギターは、Tokai SEBレスポール木端モデル。

去年、連日オーチャードホールに行ったし
連日、座席指定のコンサートに行った。
尊敬するロバートフリップを見に行っているということも
あり、自分の座席に座っていた。
僕は18歳の時からロバートフリップが好きだ。

 

しかし、今回のモリッシーに関しては、

懺悔しなくてはいけないだろう。
自分が購入した座席に一度も座らなかった。
一瞬たりとも座らなかった。
触りもしなかった。その場所に行きもしなかった。

そこに座ったら負けてしまうような気がした。


よって、唯一、自分に認められた居場所を
放棄して放浪してしまった。

 

これは、私にとってはとても苦しいことだった。
自分で自分のしていることはわかっているわけだから。
そして、それは意外と平気ではない。

どこの宗教にも属していない私が
3回ぐらい神に祈った。

30分の動画の時、精神状態はレッドゾーンに到達していた。
僕と一緒にいたことがある人はすぐわかると思う。
いきなり口数が少なくなる。

 

自責の念と、後ろに下がらなくてはならないリスクに
苦しんでいた。

僕には居場所がないってことを知りながらも

あるという顔をしなくてはならない。

 

もう、自分に唯一認められた居場所なんて
絶対に振り返えることはできない。

 

私にとって大切なことは、他の人にとっても
大切であるなんてことは、言われなくてもわかっている。

 

バカだと指摘されることが嫌いな人間が、
わかっていながらもバカなことをしなくてはならいと
判断した時は苦しい。

 

だから、正直なところ動画は、数秒で終わってほしかった。
精神的な余裕は全くない。


私は意外とこういうことが平気ではない。
通常の人生ではまず行わない。

 

チャップリンのモダンタイムスでパンを盗むシーンがある。
彼女は、自分のしていることを自分でわかっていると思う。
あのシーンを見るとパンなんて買ってあげたいと思う。
それは、同情というより、あまりに苦渋の苦しい戦いだから。

 

自分で自分がバカなことがわかっていながらも
バカなことをせざるを得ないというのは、
本当につらい。

 

全日程、自分の席に触りもしないとは思わなかった。
精神的にかなり消耗してしまった。


あの瞬間、全力で僕は平気な顔をしていただけだった。
いい歳して、本当に恥ずかしい。

 

僕は普段、並んだりもしない。
並ぶくらいなら別のところにしようと言うタイプだ。

どうして、こうなるのかはさっぱりわからないが
モリッシーとはそういうアーティストだ。


そして、普段の生活でこういうことは起こらない。