世界へ届けられるメッセージ。モリッシーのニューアルバム
Ringleader Of The Tormentors
が発売した。とてもすばらしい。とても重い、あまりに重い内容である。きれいごとがゼロだ。
http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=1400755
これは、ある種宗教批判でもあるような気がする。僕等は聖書を読み、賛美歌をともに歌い救いへ導かれるのだろうか?そんなはずはない。僕を簡単に救わないでくれ、僕を簡単に癒そうとしないでくれというようにさえ感じる。
彼らの言うところの不信仰者の吐き捨てる言葉にこそむしろ信仰を感じる。そんな作品だ。
聖歌隊が歌う歌の内容がどんなものかわかるだろうか?
純粋で素直だった末っ子の子供が殺人者になる歌である。
人生にこれが正常だなんてことは何もないんだと歌われる。
もう一つは血のつながらない父親を殺す歌。
殺されてしかるべきその父親は絶望的な君の人生にのしかかかるさらなる絶望と歌われる。
人生は豚小屋
この現実を知らずして、何を知っているというのか?という逆説的なフレーズ。
人生で本当に価値のある美しいものを知っていると言うなら現状がどれだけひどいかわかるはずだと言うのである。
Maladjustedのように1曲1曲が見事に崩壊している。人生が壊れている。でも美しい。
僕等は不完全で欠点だらけのどうにもならない人間であるという現実が全力でぶつけられている。しばらくはずっと聞き続けたいと思う。きっとあなたの心にも何か響くものがあると思う。人生はきれいごとじゃないということ。
僕は毎日悲しいゲームをプレイする。将来すべてが良くなると呼ばれるゲーム。
世界に目を向けると反吐がでる。
だけどそれから君を見ると
どこかに誰かがいることがわかる
僕を穏やかな気持ちにしてくれる誰か
僕にとって君は1つの芸術作品
君になら僕の心を捧げてもいいよ
僕にもし心があったらの話しだけど
現実から目をそらすつもりはない。僕はもうすぐ死ぬ
ただ僕が望むのは、この少年が幸せになって
生気のないその瞳に何らかの希望が宿るのを見ること
死ぬ前に僕には最後の夢がひとつある。
自分の人生はもうどなってもいいけど
この少年が幸せになって初めて愛した人を腕に抱く姿を見ること
これらの言葉が僕の心には響く。
このアルバムがトップ10に入るイギリスを偉大だと思う。きっと入るだろう。何位かわからないが。日本のトップ10チャートなんて僕にとっては偽善である。
僕は思った。
もっと自由に生きていいはずだ。僕等はもっと自由に愛していいはずだ。
殴られたら殴り返せばいい。何がいけない?
聖者になるために生まれてきたわけではない。もし汚れた存在ならば申しわけないから、とても申しわけないから命を差し出せばいい。
崩壊の向こう側の福音を見た。
