『鎌倉殿の13人』~後追いコラム その139
第41回 義盛、お前に罪はない
今回は鑑賞後の雑感を。
義盛(横田栄司)の最期、まるで弁慶(佳久創)みたいでしたね。そういえば、義経(菅田将暉)と弁慶の最期は、今回の大河ドラマでは描かれてませんでしたね。義経は、首だけ鎌倉に戻ってくる演出でしたから。もしかすると、これも今回の義盛の最期を描く、三谷流の壮大な前振りだったのかもしれません。義盛の最期に着いては、次回書くとして、今回は第41回の雑感を書きます。
(義盛の最期の場面の直前!:義盛の最期については次回ブログで・・・乞うご期待!)
前話で一味神水をした義村(山本耕史)たち、八田知家(市原隼人)のアイディアで大量の水を飲んで、起請文を吐き出すという強引な手に出る(笑)。そして、義村の「よーーし、だいたいでたな!」のセリフには思わず大爆笑。でも吐くに吐けない長沼宗政(清水伸)に、八田知家が「俺の指を使え!」とは・・・。言われただけで、全部吐けそう(笑)
(この後、飲んだ起請文を吐き出すことで、取り繕おうとする4人笑)
その直前、義盛が義村に、義時(小栗旬)に付いても良いぞという場面は、前話で一味神水までやって義盛につくことを決めた義村が、歴史上では義盛を裏切って北条方に付いたということを辻褄合わせするための場面かと・・・。そして、義盛ロスを誘う巧妙な手口でもある。
「俺たちだって、従兄弟同士じゃねぇかぁ。その代わり、戦さ場では容赦無用だぁ。」と、義盛と畠山重忠(中川大志)との最後の話し合いの場面も想起させる義盛には涙。史料的には、義村が義盛を裏切って、義時に与したことしか出てこないところを、このように描く三谷幸喜に感服する。
今話を見ていると、近々放送されるであろう源実朝(柿澤勇人)の暗殺の黒幕を、義時にしたいという匂いがプンプンする。時代考証をしている坂井孝一氏が、著作で義時黒幕説を主張しているので・・・。実朝が暗殺される直前、真っ先に公暁(寛一郎)に殺される源仲章(生田斗真)も、前話で泉親衡として義時暗殺をけしかけていることも考え合わせると、鶴岡八幡宮拝賀の直前に体調不良を訴えて、太刀持ち役を義時が仲章に代わったのは、全てを知っている義時の策略だった。おそらくはそのような展開になるのではと思われる。
(源仲章がまさか泉親衡だとは・・・。)
そして、義時の最期は、これまで自分が行ってきた数々の罪状を悔いて、自らの命を断つのではないかという衝撃的なことを想像してしまった。兄宗時(片岡愛之助)との約束を果たして、坂東武士の頂点に北条が立ち、全てを息子太郎泰時(坂口健太郎)に託して・・・。
蛇足だが、大江広元(栗原英夫)の強いこと(笑)。バクグラウンドミュージックもマカロニウエスタン風だったし・・・(笑)。手だれの義盛勢をバッタバッタと切り倒し、誰のものかわからない『ドクロ』を見事、御所から避難場所の鶴岡八幡宮に持ってくる。史料的には、和田の鎌倉の館が武装した兵たちで騒々しいことで、全てを察して義時の元に駆けつける広元なのだが・・・。いやいや全てが楽しい『鎌倉殿の13人』だ。
(意外と強かった大江広元(笑):まぁここで広元を殺すわけにいかないので・・・)